本日、大企業などで産業医としてご活躍されているドクターの勉強会に参加させて頂きました。その際に健康経営優良法人についてのお話が出ましたが、私自身の知識不足で理解できなかった部分があり、今回簡単ではありますが概要をまとめました。私のように制度は聞いたことはあるけれども詳しくは知らないという方と情報を共有させて頂ければと思います。
🔴「健康経営優良法人」認定制度とは
特に優良な健康経営を実践している大企業や中小企業等の法人を「見える化」することで、従業員や求職者、関係企業や金融機関などから「社会的な評価を受けることができる環境を整備する」ことを目的に、日本健康会議が認定する顕彰制度です。
出所:経済産業省「健康経営優良法人認定制度とは」
🔴認定企業数
大きなカテゴリーとして、大規模法人部門・中小規模法人部門に分かれ、それぞれのTOP500企業をホワイト500・ブライト500と呼びます。
【健康経営優良法人2024】認定企業
出所:日本経済新聞社「認定企業一覧」
🔴認定のメリット
① 労働者:従業員・就職希望者からの安心・信頼
② 取引先:ビジネスパートナーからの信頼
③ 消費者:商品・サービスに対する信頼
④ 地域社会:自治体等からの信頼
⑤ 金融機関・投資家:金融機関・投資家からの信用・評価
具体的には下記の効果が期待できます。
🔴認定されるには
例年8月中旬~10月中旬に申請、翌年2月に内定、3月に発表されます
【2024年度のスケジュール】
大規模法人部門:2024/8/19(月)~2024/10/11(金)17時 締め切り
中小規模法人部門:2024/8/19(月)~2024/10/18(金)17時 締め切り
🔴認定の進め方(例:健康保険組合のない大阪の中小企業)
① 経営者が会社の理念に基づき、どういう会社にしたいかを考え、社内の健康づくりの方針を定める
② 「健康宣言」をする
・目標を記載したエントリーシートを協会けんぽ大阪支部にFAXする
・協会けんぽ大阪支部から送られてくる「健康宣言の証」を社内外に向けて掲示する
③ 健康宣言の項目に取り組む
・健康診断受診率100%を目指す
・特定保健指導実施率35%以上を目指す
・要治療者に病院への受信勧奨をする
・健康づくり担当者(健康保険委員)を設置する
・自社の健康課題を選んで取り組む
④ 健康宣言の項目ができたかどうかを振り返る
協会けんぽ大阪支部から送付されるチェックシートや事業所カルテを利用して
昨年度の取り組みを振り返る→③に戻る
🔵職場の健康づくり取り組み例
・階段の利用促進
・糖質やカロリー意識の向上
・簡易ストレスチェックの導入
・喫煙対策 など
🔵申請料
大規模法人部門 認定申請料:80,000円(税込88,000円)/件
中小規模法人部門 認定申請料:15,000円(税込16,500円)/件
🔴制度2割・運用8割
健康経営とは。将来的に収益性を高める投資だと先生は仰っておられました。制度を作ったとしても運用されず形骸化していれば、時間と人的リソースの2重の無駄になります。人事制度などでも、制度を作るだけでは全体の2割が完成したに過ぎず、運用することが8割重要と言われています。運用をしっかり行い・PDCAを回している企業は全体の3~4割程度というデータもあります。
経営的な戦略の一つとして、経営陣が本気でこの健康経営を行うこと宣言し運用することが大切です。対外的なアピールによる優秀な人材の確保・体調不良者を減らすことによる生産性の向上・人材を大切にすることによる離職率の低下など、取り組みで得られるメリットは大きなものになります。まずは弊所も健康宣言をFAXすることから始めたいと思います。詳しくは健康経営のサイトをご覧ください。