令和7年度の就労条件総合調査が公表されました。この調査の目的は、主要産業における企業の「労働時間制度」、「賃金制度」等について総合的に調査し、我が国の民間企業における就労条件の現状を明らかにすることを目的として毎年実施されています。労働条件の中身は色々ありますが、特に重要な労働時間と賃金についての指標とあって、弊社でも注視しています。今回は法的な根拠も踏まえつつ中身を見ていきたいと思います。
労働時間制度
所定労働時間と法定労働時間
〇法定労働時間≧所定労働時間
✕所定労働時間>法定労働時間
所定労働時間:就業規則等で定められた始業時刻~終業時刻までの時間から、休憩時間を差し引いた労働時間をいう。(例:9:00始業・1時間休憩・18:00終業の場合は8時間)
法定労働時間:法律で定められた労働時間
【原則】週40時間以内・1日8時間以内(労働基準法:第32条)
【例外】特例措置対象事業場:下記の業種に該当する常時10人未満の労働者を使用する事業場

※事業場の規模(人数)は、企業全体の規模をいうのではなく、工場、支店、営業所等の個々の事業場の規模をいいます。
出典:厚生労働省・徳島労働局「法定労働時間」
所定労働時間
規模別

業種別(週の所定労働時間が多い順)

休日
【原則】毎週少なくとも1回の休日(労働基準法:第35条)
【例外】4週間で4日以上の休日(労働基準法:第35条2項)
企業割合(%)

労働者割合(%)

年間休日数(日)

※労働時間の延長や休日労働をさせる場合には労働者の過半数を代表する者との書面による協定をし、行政官庁(労働基準監督署)に届けなければならない(労働基準法:第36条)
年次有給休暇
雇入れの日から起算して6ヶ月継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者に対して10労働日の有給休暇を与えなければならない(労働基準法:第39条)

平均付与日数・平均取得日数・平均取得率(%)

平均取得率・年次推移(%)

計画的付与制度
年次有給休暇のうち、5日を超える分については、労使協定(労働者の過半数を代表する者との書面による協定)を結べば、計画的に休暇取得日を割り振ることができる制度のこと

変形労働時間制
繁忙期の所定労働時間を長くする代わりに、閑散期の所定労働時間を短くするといったように、業務の繁閑や特殊性に応じて、労使が工夫しながら労働時間の配分等を行い、これによって全体としての労働時間の短縮を図ろうとするもの(労働基準法:第32条の2~5)

※30人未満の小売業、旅館、料理・飲食店に限る
変形労働時間制(企業割合:%)

変形労働時間制(労働者割合:%)

事業場外みなし労働時間制
営業職など専ら事業場外で労働する労働者には、使用者の具体的な指揮が及ばず、労働時間の算定が困難な業務については、原則として、その業務に要する労働時間を所定労働時間とみなす(労働基準法:第38条の2)

勤務間インターバル制度
1日の勤務終了後、翌日の出社までの間に、一定時間以上の休息時間(インターバル)を設けることで、働く方の生活時間や睡眠時間を確保するもの(労働時間等設定改善法:第2条)

賃金制度
時間外労働・休日労働・深夜労働の割増賃金率(労働基準法:第37条)

時間外労働の割増賃金の定め方

1ヶ月60時間を超えたときの割増賃金率

【全体共通】記事では法律の条文通りではなく、一部抜粋しわかりやすい平易な表現で記載しております。また、例外などを除いて記載しておりますので、詳細は各法律の条文e-GOVや厚生労働省のホームページ等をご参考下さい
出典:厚生労働省「就労条件総合調査」
今回は、令和7年度の就労条件総合調査を見てきました。労働時間や休日、賃金というのは労働者にとって一番関心のある項目だと思います。法律で決まっているもの、企業が独自で決めれるもの様々ありますが、労働基準法は「最低」基準を定めた法律であることに注意が必要です。この法律で定める(最低)基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効とする。この場合において、無効となった部分は、この法律で定める基準による(労働基準法:第13条)とされています。特に、労働時間をきちんと算定せず、いいかげんにしていると、後になって思わぬ未払い残業代が発生するケースも少なくありません。不安に思われた方は、まずは基本事項を確認し、リスクを可視化することから始められてはいかがでしょうか。














