先日小学校の娘に「なぜ北海道だけ道っていうの?」と聞かれました。私も資料を作成するときに、文字数の関係で県を省略したい時があり、東京・大阪・京都などは「都・府」を省略しても通じますが、北海「道」だけ省略すると通じないので困ったことがありました。また3府(東京・大阪・京都)の成り立ちは知っていましたが、北海道のことは知らなかったので、今回記事にして勉強しようと思います。
🔴版籍奉還と廃藩置県
版籍奉還
明治2年1月、長州・薩摩・肥前・土佐の各藩主は、「版籍奉還」(天皇へ版〈土地〉と籍〈人民〉を返還すること)を願い出、他藩主もそれに倣い同様の上表を差し出しました。これは、すべての土地と人民は天皇のものとする「王土王民」の考えに基づいたものでしたが、混乱もなく行われたのは、各藩主が、版籍を奉還しても政府から再交付されると考えていたためと言われています。同年6月以降、ほとんどの旧藩主は、旧藩の「知藩事」に任命されました。しかし、知藩事には、旧来の大名による領地支配とは違い、非世襲の地方行政官として、政府直轄地と同様の政策を行うことが求められました。
廃藩置県
明治4年7月、知藩事に「廃藩置県」(はいはんちけん)の詔が下されました。政府は、薩摩、長州、土佐の三藩から御親兵を募り、反対勢力に対抗しうる軍事力を背景に、廃藩置県を実施しました。これにより藩は県と改められ、知藩事の代わりに「県令」が派遣されました。県は、当初藩をそのまま置き換えたため「300以上」設けられ、飛び地も多く存在したままでしたが、その後急速に統合が進められ、同年11月までに旧来の国と郡を単位とした「72県」に再編されました。
出所:国立公文書館「版籍奉還と廃藩置県」
🔴3府302県(1871年7月)
🔴3府72県(1871年11月)
出所:内閣官房「各府県の沿革について」
🔴3府35県(1876年4月)
🔴廃止されたのち復活した県
出所:日本経済新聞社「北関東3県は「宇都宮県」に 幻の28道府県案」
🔴東京府から東京都へ
1943年6月に東京府が東京市を併合する形で「東京都」へ
出所:東京都総務局「大東京35区物語」
🔴沖縄県と北海道の沿革
沖縄県
北海道
なぜ「道」なのか?
出所:北海道「北海道の「道(どう)」って何ですか?」
今回は北海道の由来を探ることから始まり、廃藩置県→都道府県の成り立ちに広がりました。版籍奉還や廃藩置県は学校で習いましたが、その後の再編等の話は初めて知りました。今回は仕事とは全く関係のない話ですが、ご興味の一助になれば幸いです。