日本の社会保障制度が危機的状況にあることは、以前の記事(人口動態統計から過去「77年」を振り返ってみました)でお知らせしましたが、アメリカやヨーロッパ、中国など他国はどのような社会保障制度があり、どういう状況なのかを簡易的に調査してみました。
アメリカ
公的医療保険:65歳以上の高齢者・65歳未満で一定の障害を持つ方向けの「メディケア」と、低所得者のみを対象とした「メディケイド」の2種類。公的医療保険の対象外の人は民間の保険に加入するしかない。
公的年金 ソーシャルセキュリティー:アメリカ政府が運営。10年以上加入で受給できる。日本と同じで、老齢・障害・遺族の保障がある。
イギリス
公的医療保険:NHS(National Health Service)。16歳以上の就労者は保険料の支払いを義務付けられる一方、英国在住者であれば、原則、無償で医療サービスを受けることができる。(税金で運営)
被用者・自営業者を通じた定額の「基礎年金」と、被用者のみを対象とした所得比例の「国家第二年金」(2002年~)の二階建て。 日本と非常に似ています
フランス
公的医療保険:日本と同じ国民皆保険制度。「職業ごと」に制度が存在し、それぞれ管理運営されている。
公的年金 A×B×拠出期間/全期間
A:基準賃金年額:過去の拠出期間の中で「最も賃金の高い25年間」分の平均賃金
B:給付率:被保険者の拠出期間と受給開始年齢に応じ、50~37.5%(※2)の範囲
ドイツ
公的医療保険:全ての国民に対して公的医療保険への加入が義務付けられているわけではありませんが、全国民の約9割が加入している
公的年金 社会保険方式の「所得比例」年金制度が「職種ごと」に存在
中国
公的医療保険:日本のように患者の希望で全国どこでも受診できるフリーアクセスではない。自分が保険料を払っている地域「以外」で受診する場合は、「全額自己負担」が原則
「公的年金」と、企業が任意に実施する「企業年金」、個人が任意に加入する「個人年金」の3種類
アメリカやヨーロッパ、中国などでは、国民皆保険に近い所も多く、現在は社会保障も充実している国も多く見られます。
ただ先進国は人口構造の変化などにより、社会保障も縮小傾向で、日本と同じような問題(年金支給年齢の先延ばし等)が起こっています。
日本で住んでいれば実感しませんが、他国に比べて医療費が極めて安く、フリーアクセス(どこの病院でも良い)というのは他の国にはないメリットかも知れません。
今後、新たな情報が更新されるたびに修正・加筆して参りますので、ご参考になりましたら幸いです。