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生成Ai活用によるリスクと対策について

昨今、生成Aiの活用が当たり前のようになってきました。以前の記事「AI(人工知能)に関して 第3次AIブームの未来は?」でも共有させて頂きましたが、第3次Aiブームはブームで終わらない進化を遂げようとしています。ただ便利になった反面、リスクも付きまといます。弊所でもAiを活用して記事を書いた方が楽なのですが、著作権の問題・引用先の問題など、手間はかかりますが公的な情報源の活用、ポリシーに沿った引用方法などリスクが少ない方法を選択してしまいます。今回は生成Aiについて見ていきたいと思います。


🔴生成Aiとは

さまざまなコンテンツを「新たに生み出す」人工知能(AI)のことを言います。

従来のAIが決められた行いを自動化するのに対し、生成AIはデータから「学習した」パターンや関係性を活用し、テキスト、画像、動画、音声など多岐にわたるコンテンツを「新たに生成」できます。

出所:NECソリューションイノベータ「生成AIとは?

※ディープラーニングとは、AI(人工知能)に情報処理の方法を教えるための手法の1つで、複雑な判断や細かな処理ができるようになるための学習プログラムです。機械学習で得たデータを活用し、Ai自身がポイントを自分で見つけ出し新たなものを生み出せるレベルに学習します。いわば基礎から応用に展開したようなイメージです。

出所:NTT東日本「ディープラーニング入門


🔴生成Aiの主な活用

出所:NECソリューションイノベータ「生成AIの種類


🔴生成Aiのリスク

製品・サービスの安全性に関するリスク

医療機器やモビリティ、人間が活動する環境で稼働するロボット等においては、AIが29 誤作動することで生命身体に直接関わるリスクがある。また、対人・対物サービスの中で30 利用されるAIが、身体や財産に悪影響を及ぼす可能性もある。

人権侵害(プライバシーや公平性など)に関するリスク

AIを用いたサーベイランスやプロファイリング等においては、偽情報・誤情報の流通36 とも相まってプライバシー侵害、AI生成画像等を使った名誉・信用の毀損や誹謗中傷、37 司法・行政権の行使や雇用・採用に関する差別的取扱いなどのリスクが考えられる。

安全保障、犯罪増加などに関するリスク

兵器転用やテロの高度化、サイバー攻撃や詐欺等の増加・巧妙化、民主主義を揺るがすような偽情報や誤情報の流通、企業の秘密情報の漏洩等のリスクも考えられる。

財産権の侵害リスク

投資詐欺などのような国内外からの AI 生成物を用いた偽情報・誤情報の流通や、AI の学習に用いた企業情報の意図しない流出等により、財産権が侵害されるリスクも考えられる。

知的財産権の侵害リスク

生成 AI によって、誰でも容易に画像や記事を作成できる時代になっており、オリジナルコンテンツに類似したコンテンツが流通してしまうリスクがある。AIが学習しているデータや AI の出力方法にその一因があるとする見方もあり、権利者と AI 開発者等による議論が続いている。

その他のリスク

Aiによる雇用が失われるリスクに対する懸念が見られる。 また、AI が人による管理を超えて暴走するリスク(人の指示に従わずに作動する、人を攻撃するなど)を警告する学識経験者もいる。 さらに、一部の AI 開発者のみにデータや利益が集中する、少数言語国では自国言語による高性能な AI が存在しないといった課題も指摘されている。

出所:内閣府AI戦略チーム「AI制度に関する考え方について


🔴生成AIのリスクマネジメント

生成AIが生成したコンテンツは、必ずしも正しいとは限りません。文章として違和感があったり、内容が間違っていたりする場合があるため、人間が必ず精査するようにしましょう。誤情報を発信しないようにするためにも、情報源の信頼性を確認することも重要です。

また、生成AIはどのような目的で利用するのかを事前に明確にし、その範囲内で利用する必要があります。事前に目的と範囲を明確化しておくことで、法的問題や悪用の可能性を減らせるでしょう。さらに、ガイドラインを策定し遵守することで、法的問題や倫理的問題へ対処できます。

出所:日立ソリューションズ・クリエイト「生成AIを活用するリスクとは?

出所:デジタル庁「テキスト生成AI利活用におけるリスクへの対策ガイドブック


🔴生成Ai利用における社内規定の重要性

社内で規定を設けてAiを利用している企業は少数にとどまっており、従業員がリスクを理解せず、独自に生成Aiを利用するケースも数多くあります。そのような状態でリスクが表面化したときには、使用者本人に不法行為責任、会社若しくは権限者等に使用者責任が発生する可能性があります。

※弊所では①の対策として「生成AI利用規定の策定」、②の対策として「リスクの特定・評価と必要な損害保険のご提案」を行っております。


今回は生成Ai活用によるリスクについて見てきました。リスクを認識せず使用していると思わぬ落とし穴が待ち受けているかも知れません。個人で使用する分には自己責任で済みますが、仕事での使用には会社や取引先、関係先にまで迷惑が掛かってしまうかも知れません。まずはリスクを認識し、出来ることから対策されることをお勧めいたします。

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