●2024年7月3日、20年ぶりに新紙幣が発行されました。
電子マネーなどの影響により、最後の紙幣とも言われている今回の改訂。見慣れた紙幣からの変更で戸惑う方も多くいらっしゃることと思います。ただ前回の改定でも同じような戸惑いがありましたが、慣れればその前の紙幣のことはすっかり忘れてしまっています。今回は、新紙幣の人物像に焦点を当て、深堀りしていきたいと思います。
🔴お金の誕生
●自給自足 古代ではお金を必要とせず、自分で採った魚や肉を食べて過ごしていた
●物々交換 徐々に交遊も広がり、自分の欲しいものと相手の欲しいものを交換するようになった
●宝貝の使用 3000年前くらいの中国で美しい貝をお金として用いていたという記録がある。その名残で、日本ではお金に関係する文字に貝が使われていることが多い。財、貯、買、貸、貨、販、資、購など
出典:山梨中央銀行「お金のれきし」
🔴紙幣はなぜ変わるの?
「偽造」を防ぐため、概ね20年ごとに改刷を行う。前回の改刷は2004年でちょうど20年前。
🔵新たに採用された偽造防止技術
●高精細すき入れ
従来の「すき入れ」に加えて、新たに高精細なすき入れ模様を採用しました。肖像の周囲に、緻密な画線で構成した連続模様が施されています。
●3Dホログラム(銀行券への採用は世界初)
ストライプ型のホログラムを新たに採用しました。3Dで表現された肖像が回転する最先端技術を用いています。
🔴新紙幣どう変わるの?
●一万円札
1984 福沢諭吉(裏:平等院の鳳凰堂の鳳凰像)
2004 福沢諭吉(裏:平等院の鳳凰堂の鳳凰像)
2024 渋沢栄一(裏:東京駅)
●五千円札
1984 新渡戸稲造(裏:富士山と逆さ富士)
2004 樋口一葉(裏:燕子花図)
2024 津田梅子(裏:藤)
●二千円札
2000 首里城/源氏物語
●千円札
1984 夏目漱石(裏:タンチョウ)
2004 野口英世(裏:富士山と桜)
2024 北里柴三郎(裏:富嶽三十六景)
🔴新紙幣の人物
🔵渋沢栄一 1840-1931
「近代日本経済の父」と呼ばれ、生涯に481社もの企業の設立・運営、約600の社会事業に携わる。
●設立・運営に関わった主な企業・事業:東京海上火災保険、ENEOS、三井物産、三井住友銀行、みずほ銀行、王子製紙、帝国ホテル、東京ガス、富岡製糸場、JR東日本、日本経済新聞社、関西電力、東京電力、日本赤十字社、日本女子大学、早稲田大学など
●経営理念は「論語と算盤」 道徳(社会貢献)と利潤追求の両立を考えた
🔵津田梅子 1864-1929
津田塾大学の創設者で日本における女子教育の先駆者。日本初の女子留学生としてアメリカに7歳~17歳まで滞在。帰国後教師として経験を積み、再度25歳で留学。ヘレンケラーやナイチンゲールとも対面し刺激を受ける。生涯独身を貫き、女性の地位向上に躍進する。
🔵北里柴三郎 1853-1931
「近代日本医学の父」と呼ばれる。伝染病予防や細菌学の発展に大きく貢献した医師。慶應義塾大学医学部の創設、日本医師会の創設にも関わる。
🔴過去の紙幣(表面)
1881年 神功皇后・・10円・5円・1円
1888年 菅原道真・・5円
1889年 武内宿禰・・1円、5円
1890年 和気清麿呂・・10円
1891年 藤原鎌足・・20円
1930年 聖徳太子・・100円、千円、五千円、一万円
1945年 日本武尊・・千円
1946年 二宮尊徳・・1円
1948年 板垣退助・・100円
1951年 高橋是清・・50円
1951年 岩倉具視・・500円
1963年 伊藤博文・・千円
1984年 夏目漱石・・千円
1984年 新渡戸稲造・・五千円
1984年 福沢諭吉・・一万円
2000年 紫式部・・二千円
2004年 野口英世・・千円
2004年 樋口一葉・・五千円
2024年 渋沢栄一・・一万円
2024年 津田梅子・・五千円
2024年 北里柴三郎・・千円
🔴世界の主な紙幣
🔵アメリカ:ドル(7種類)
・1ドル紙幣:ジョージ・ワシントン(アメリカ合衆国初代大統領)
・2ドル紙幣:トーマス・ジェファーソン(アメリカ合衆国第3代大統領)
・5ドル紙幣:エイブラハム・リンカーン(アメリカ合衆国第16代大統領)
・10ドル紙幣:アレクサンダー・ハミルトン(アメリカ合衆国建国の父の1人)
・20ドル紙幣:アンドリュー・ジャクソン(アメリカ合衆国第7代大統領)
・50ドル紙幣:ユリシーズ・S・グラント(アメリカ合衆国第18代大統領)
・100ドル紙幣:ベンジャミン・フランクリン(アメリカ独立に多大な貢献)
🔵ヨーロッパ:ユーロ(7種類)ヨーロッパ各国使うので、特定の人物ではなく歴史的建造物を使用
・5ユーロ紙幣:古典
・10ユーロ紙幣:ロマネスク
・20ユーロ紙幣:ゴシック
・50ユーロ紙幣:ルネサンス
・100ユーロ紙幣:バロック&ロココ
・200ユーロ紙幣:アールヌーボー
・500ユーロ紙幣:現代
🔵イギリス:ポンド(4種類)
・5ポンド紙幣:エリザベス・フライ(監獄改革を行った社会活動家)
・10ポンド紙幣:チャールズ・ダーウィン(進化論を提唱した自然科学者)
・20ポンド紙幣:ウィリアム・ターナー(光や大気をキャンバスに取り込んだ「光の画家」)
・50ポンド紙幣:ジェームズ・ワット&マシュー・ボールトン(産業革命の進展に寄与した)
🔵中国:人民元(4種類)
・1元紙幣:毛沢東(建国の父)
・10元紙幣:毛沢東(建国の父)
・20元紙幣:毛沢東(建国の父)
・50元紙幣:毛沢東(建国の父)
🔵インド:ルピー(7種類)
・10ルピー紙幣:ガンジー(建国の父)
・20ルピー紙幣:ガンジー(建国の父)
・50ルピー紙幣:ガンジー(建国の父)
・100ルピー紙幣:ガンジー(建国の父)
・200ルピー紙幣:ガンジー(建国の父)
・500ルピー紙幣:ガンジー(建国の父)
・2,000ルピー紙幣:ガンジー(建国の父)
🔴今後のお金について
世界では偽札を防ぐために高額紙幣の使用はお断りしている、または高額紙幣自体を廃止する国もあるそうです。
100円の商品でも1万円札を平然と使える=日本は安全な国というイメージでしょうか?
以前の記事「物価上昇 30年前・10年前との比較」では、物価が30年前よりも大幅に上がっているとのデータがありました。現在の1万円は20年前の7~8千円の価値しかないかも知れません。手取り金額が減り、物価が上がっているので想像以上に自由に使えるお金が減ってきています。
話は変わりますが、私が20歳くらいの時に初めてWindows3.1が誕生し、IT社会が本格的に幕開けしました。学校の先生に、将来はeコマース(電子商取引)が主流になって、仮想店舗で買い物をする時代が来るよ。と言われましたが、仮想店舗なんて商品を手に取ってみないと購入に至らないし、電子マネーなんて信用できないことが主流になるわけがないとその時は本気で感じました。でも現在はそれが当たり前の時代になっています。現在の常識では測りきれないことが10年後・20年後に起こります。環境破壊の結果、地球で住めなくなり、火星や金星で生活する時代が来るかも知れませんね。