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年次有給休暇 QOL(クオリティ・オブ・ライフ:生活の質)向上にむけて

7月に入り、例年以上の猛暑日が予想されている2024年ですが、皆様は夏休みの計画などされていらっしゃいますでしょうか? 有給を使って連続した休みを取り、国内・海外旅行へなど考えておられるかも知れません。毎年、経営者の皆様にとっては、カレンダー通りに営業するのか・計画的にお休みを入れるのかなど頭を悩ませている方もおられます。今回のテーマは労働者・使用者ともに身近な「年次有給休暇(年休」をお送りします。


🔴年次有給休暇とは

年次有給休暇とは、一定期間勤続した労働者に対して、心身の疲労を回復しゆとりある生活を保障するために付与される休暇のことで、「有給」で休むことができる、すなわち取得しても賃金が減額されない休暇のことです。

🔵年次有給休暇の付与要件

①雇い入れの日から6か月経過していること、②その期間の全労働日の8割以上出勤したこと

🔵年次有給休暇は何日?

一般の労働者(週所定労働時間が30時間以上、所定労働日数が週5日以上の労働者、又は1年間の所定労働日数が217日以上の労働者)には、下記が適用されます。

有給①

週所定労働時間が30時間未満で、かつ、週所定労働日数が4日以下、又は1年間の所定労働日数が48日から216日までの労働者には、下記が適用されます。

有給②

パートアルバイトにも、年次有給休暇は付与されます。


🔴年次有給休暇(年休)の時季指定権と時季変更権

時季指定権とは、労働者が「請求する時季(指定した日)」に年休を取得できる権利

時季変更権とは、労働者から指定された時季に年休を与えることが「事業の正常な運営を妨げる場合」に、その時季を変更することができる権利

例えば、会社の就業規則で、「3日前までに申請」「当日はNG」などルールが決められていることも少なくありませんが、単に就業規則による「3日前の請求ではない」ということをもって、年次有給休暇を認めないということはできません。会社側が時季変更権を行使できるかはあくまで、事業の正常な運営を妨げるが否かということにより判断されます。事業の運営を妨げるという要件は厳格で、「多忙だから」「代わりの人がいないから」という理由では認められません。年休の「当日の申請」に関しては、事業の正常な運営を妨げるという判決もあるので、ご注意ください。


🔴年次有給休暇の時季指定付与

年次有給休暇が「10日以上」付与される全ての労働者に対し、年次有給休暇を付与した日(基準日)から1年以内に「5日」について、労働者の意見を聴取した上で、使用者が時季を指定して与える必要があります。(義務)

2019年4月から、大企業・中小企業問わず「義務化」されています。年休を取らない(取れない)労働者に確実に年休を取得できるようにする制度。


🔴年次有給休暇の計画的付与

・時季指定付与と混同しがちなのですが、年次有給休暇のうち、5日を超える分については、「労使協定」を結べば、計画的に休暇取得日を割り振ることができる制度のことをいいます。例えば、年休10日の人には5日分、年休20日の人に対しては15日分、会社が計画的に「この日休んでね」と年休を振り分けられます。会社側のメリットは、繁忙期に年休を取られれば業務が回らないので、あらかじめ閑散期に年休を消化してもらえたり、従業員側も、自分から言い出しにくい年休を会社が設定してくれるので、年休が間違いなく消化できるなどお互いにメリットがあります。しかし、労働者の年休に対する自由度(好きなときに休めない)が低下し、不満につながる場合もありますので導入には注意が必要になります。


🔴年次有給休暇中の賃金

年次有給休暇を取得した日については、就業規則等の定めにより、

① 平均賃金

② 通常の賃金

③ 健康保険法上の標準報酬日額相当額

いずれかを支払う必要があります。①~③の方法は会社が決定しますが、部署ごとや従業員ごとに算出方法を変えることはできません。また決定した支払方法は、就業規則に記載しなければなりません。


🔴年次有給休暇の繰り越し

年休の有効期間は2年間です。付与された年休を1年間で使えなかったときは翌年に繰り越すことができ、繰り越した年休は、その年に使い切らないと消滅してしまいます。

年休は、前年の繰り越し分から消化するのか、それとも、新規に付与された直近の分から消化するのかのルールは労働基準法には決まりがありませんので、就業規則に定めておきましょう。就業規則に定めがない場合には、従業員がルールを決めて良いとなっているので、前年の繰り越し分から消化することになります。


🔴年次有給休暇の買い上げ

年休を買い上げる行為は、労働者の福祉の向上(心身のケア・疲労回復など)に繋がらないため原則禁止されています。ただし、次の3つのケースでは労働基準法違反にならない例外として認められています。

① 法律を上回る日数の年休があるとき

② 消滅時効を過ぎた年休があるとき

③ 退職時に消化できない年休があるとき

ここまで年次有給休暇の概要を見てきましたが、まだまだお伝えしていきたい項目があるため、引き続き明日に第二弾をお送りさせて頂きます。

出典:厚生労働省「年次有給休暇


明日は、

年次有給休暇にまつわる有名な判例

年次有給休暇の海外の事例

100名までの企業における年次有給休暇の活用事例

などを中心にお伝えします。

 

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