厚生労働省より、令和4年度における国民医療費の取りまとめが発表されました。医療費の増加は国民の保険料負担にも大きな影響があり、年金の給付・負担と相まって近年の大きな課題の一つです。今回は国民医療費の内訳と、過去との比較を中心に見ていきたいと思います。
前提条件:「国民医療費」には、医科診療医療費、歯科診療医療費、薬局調剤医療費、入院時食事・生活医療費、訪問看護医療費等は含みますが、保険診療の対象とならない費用や、正常な妊娠・分娩、健康診断、予防接種など、傷病の治療以外の費用は含みません。
🔴医療費の推移
※平成5年と比べ、30年間で国民医療費は約1.9倍になっています。
🔴医療費の内訳
🔵制度別
🔵財源別
🔵診療種類別
🔵年齢別
※統計表の数字には若干の誤差があります。ご了承ください。
🔴医療施設数の推移
出所:統計局「令和4年医療施設(動態)調査」
🔴医師・歯科医師・薬剤師数の推移
🔴令和4年度 一人当たり国民医療費 多い県・少ない県
※一人当たりの国民医療費が多い県は「西日本」が多く、少ない県は「東日本」が多いのは偶然でしょうか?
今回は「国民医療費」について各種データを見てきました。給与が30年間ほとんど上がらなかったのに対して、医療費は1.9倍にまで増加しています。これに加えて介護の需要も増えており、社会保険等は大幅に制度を見直さないことには早晩立ち行かなくなります。痛みを伴いますが、給付の縮小・負担の増加は避けられないでしょう。