助成金という制度を「聞いたこと」がありますか? という問いに、会社等を経営されていらっしゃる方ですとほとんどの方が「ある」と回答されます。
では助成金を「申請したこと」がありますか? の問いには、「ない」という回答が大多数です。ある調査によると、中小企業全体の「1~2%」しか積極的に活用していないとのデータもあります。
助成金の認知度は高いにも関わらず、なぜ活用していないのでしょうか?
どんな種類の助成金があるかわからない
自社に合った助成金がわからない
請求の仕方がわからない
とにかく書類が多いので面倒くさそう
アドバイスしてくれる人がいない
このうちのどれか、または複数に当てはまる場合が多いのが現実です。実際社労士側でも、聞いたことも扱ったこともない助成金はいっぱいありますし、申請が簡単で助成額が大きいような「サービス的」助成金は、数日で助成金の「枠」が埋まり、気が付けば受付終了となっているものもあります。
補助金に関しましては、顧問税理士の先生方や商工会議所などが企業に対して情報提供するケースが多いと思いますが、助成金は金額も「ものづくり補助金」や「事業再構築補助金」などのように大きい額ではないため、それほど重要視されていないように感じます。
助成金に対しての監督機関である「労働局」は、企業活動や労働者に役立つ助成金の活用をパンフレットやホームページ等で積極的に推進しています。(労働局は厚生労働省の直轄組織であり、労働基準監督署や公共職業安定所の上部組織にあたります)
また助成金申請の代行を独占業務としている社労士にも定期的に研修等で案内がありますが、そもそも助成金業務をしていない社労士が多くいますし、雇用調整助成金の不正受給などに巻き込まれた場合の懲戒処分が恐ろしくて出来ればしたくないという声もよく聞きます。
一方、助成金を積極的に活用して、従業員のスキルアップや設備の充実などに上手く使っている企業もあります。助成金の財源は皆様が日頃支払っている雇用保険料の事業主負担分から出ていますので、活用は当然の権利です。まずは助成金に興味を持って頂き、顧問社労士の先生方や労働局等でご相談いただければと思います。主な助成金の一覧をお載せしておきますのでご参考下さい。(赤字は特に人気が高い助成金です)以前お知らせした「令和6年度 雇用・労働分野の助成金のご案内」もご活用下さい。
🔴雇⽤関係助成⾦・・・雇用に関することや、従業員の能⼒向上などにご利用頂けます。
●雇用調整助成金 ●産業雇用安定助成金 ●早期再就職支援等助成金 ●特定求職者雇用開発助成金 ●トライアル雇用助成金 ●地域雇用開発助成金 ●人材確保等支援助成金 ●通年雇用助成金 ●65歳超雇用推進助成金 ●高年齢労働者処遇改善促進助成金 ●キャリアアップ助成金 ●両立支援等助成金 ●人材開発支援助成金
🔴労働条件等関係助成⾦・・・職場環境の改善、生産性向上に向けた取組などにご利用頂けます。
●業務改善助成金 ●働き方改革推進支援助成金 ●受動喫煙防止対策助成金 ●団体経由産業保健活動推進助成金 ●高度安全機械等導入支援補助金 ●エイジフレンドリー補助金 ●個人ばく露測定定着促進補助金 ●中小企業退職金共済制度に係る新規加入等掛金助成
出典:厚生労働省