令和8年度の税制改正が発表されました。弊所は社労士事務所ですので税制は関係ないと思われがちですが、労務と税務を社労士か税理士のどちらに聞いて良いかわからないというクライアントも多く、弊所でも最低限の知識はキャッチアップしております。もちろん無償独占業務である税務に関してのご相談にお答えすることはできませんので、税理士先生にお繋ぎする形にはなりますが。今回は昨年に引き続き、主な改正を見ていきたいと思います。
2025年度と2026年度の改正内容

参考:弊所記事「令和7年度の税制改正について(概要)」
2026年度の改正点

昨年(2025年度)の改正内容 出典:財務省「令和7年度税制改正」
個人所得課税
物価上昇局面における基礎控除等の対応
➀所得税の基礎控除等の引上げ
2年ごとに物価上昇に連動して引き上げることとし、基礎控除の額及び給与所得控除の最低保障額をそれぞれ4万円引き上げ。

➁基礎控除等の上乗せ特例の創設
合計所得金額489万円(給与収入665万円相当)以下の場合、基礎控除の上乗せ額を42万円まで引き上げるとともに、給与所得控除の最低保障額に5万円上乗せ(令和8・9年分)

住宅ローン控除の拡充
適用期限を令和12年入居分まで5年間延長した上で、既存住宅の利活用促進等のため、一定の既存住宅に係る借入限度額の引上げ等を行う

NISAの拡充
つみたて投資枠の対象年齢を0~17歳に拡充し、年間投資枠(60万円)などを設定。 ※12歳以降は、子の同意を得た場合にのみ親権者等による払出しが可能

極めて高い水準の所得に対する負担の適正化措置の見直し
税負担の公平性の観点から、税率を22.5%から30%に引き上げ、特別控除額を3.3億円から1.65億円に引き下げ(令和9年分の所得から適用)

ひとり親控除の拡充
ひとり親控除の控除額を35万円から38万円に引き上げ(令和9年分の所得から適用)

「ひとり親」の要件
① 次のいずれかに該当すること ・現に婚姻をしていない者 ・配偶者の生死の明らかでない者
②生計を一にする子(注1)を有すること
③合計所得金額500万円以下
④事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる者(注2)がいないこと
法人課税
大胆な設備投資の促進に向けた税制措置の創設
国内における高付加価値の設備投資(投資下限額35億円以上など)を促進するため、即時償却又は最大7%の税額控除の措置を創設。

研究開発税制の強化
➀「戦略技術領域型」の創設
AI、半導体、バイオ等の対象分野について新たな税額控除を創設。
➁試験研究費増加のための見直し等
一般型の控除率カーブ等の見直しや、海外への委託研究費に対する一定の制限(控除対象を段階的に縮小:令和8年度:70%、令和9年度:60%、令和10年度:50%)を設る。
賃上げ促進税制の見直し
大企業向けの措置は、適用期限(令和8年度末)を待たずに令和7年度末をもって廃止。中堅企業向けの措置は要件を見直した上で、適用期限をもって廃止。

消費課税
国境を越えた電子商取引に係る消費税の適正化
➀少額免税制度の見直し
国内事業者との公平性を図るため、「1万円以下の商品」についても、諸外国と同様に販売者に消費税の納税義務を課す(令和10年4月適用開始)
➁物品販売に係るプラットフォーム課税
合計額「50億円超」のプラットフォーム事業者に納税義務を転換(令和10年4月適用開始)
インボイス制度導入に係る経過措置の見直し
➀いわゆる「2割特例」の延長
個人事業者向けの経過措置をさらに2年延長

➁いわゆる「8割控除」の見直し
適用期限を2年延長した上で、1免税事業者ごとの仕入れに係る年間適用上限額を1億円に引き下げ
自動車重量税のエコカー減税の見直し
減免区分の基準となる2030年度燃費基準の達成度を引き上げた上で、適用期限を2年延長
国際観光旅客税の税率の引上げ
観光施策の財源確保のため、出国1回につき1,000円から3,000円へ引き上げ(令和8年7月以後の出国から適用)

国際課税
新たな国際課税ルールへの対応
グローバル・ミニマム課税について、一定の要件を満たす国(共存適格国)に最終親会社が所在する多国籍企業グループについて、所得合算ルール(IIR)等の適用を免除(2026年1月以後に開始する会計年度から適用)
防衛力強化に係る財源確保のための税制措置
防衛特別所得税の創設
所得税額に対して税率「1%」の新たな付加税として「防衛特別所得税」を創設(令和9年1月から)同時に、家計負担が増加しないよう、復興特別所得税の税率を2.1%から1.1%に引き下げ、課税期間を10年間延長

令和8年度の税制改正(内国税関係)による増減収見込額

出典:財務省「令和8年度税制改正」
今回は令和8年度の税制改正について、財務省のパンフレットを基に概要を見てきました。毎年改正がありますが、今年度も個人から法人、消費税にいたるまで幅広い改正が行われています。詳細な要件や条件については、顧問の税理士先生や管轄の税務署にご相談ください。また財務省のガイドライン等も併せてご確認いただけると幸いです。











