令和7年4月1日から出生後休業支援給付金と育児時短就業給付金が新たに創設されます。育児休業等の給付金はよく似た名前のものが多く、期間も重なったりして頭の中がごっちゃになりやすいです。今回は新たに創設される給付金と現在の給付金をまとめて見ていきたいと思います。
🔴育児休業等給付金のまとめ
🔴各給付金について
①出生時育児休業給付金
雇用保険の被保険者の方が、子の出生後8週間の期間内に合計「4週間分(28日)を限度」として、産後パパ育休(出生時育児休業・2回まで分割取得できます)を取得した場合、一定の要件を満たすと支給を受けることができます。
(要件)
① 「子の出生日または出産予定日のうち早い日」から「子の出生日または出産予定日のうち遅い日から起算して8週間を経過する日の翌日」までの期間内に、4週間(28日)以内の期間を定めて、当該子を養育するための産後パパ育休(出生時育児休業)を取得した被保険者であること(2回まで分割取得可)。
②休業開始日前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある(ない場合は賃金の支払いの基礎となった時間数が80時間以上の)完全月が12か月以上あること。
③ 休業期間中の就業日数が、最大10日(10日を超える場合は就業した時間数が80時間)以下であること。
(期間を定めて雇用される方の場合)
④ 子の出生日から起算して8週間を経過する日の翌日から6か月を経過する日までに、その労働契約の期間が満了することが明らかでないこと。
支給額=休業開始時賃金日額×休業期間の日数(28日が上限)× 67%
②出生後休業支援給付金(新設)
「出生時育児休業給付金」または「育児休業給付金」の支給を受ける方が、両親ともに一定期間内に通算して「14日以上の育児休業(産後パパ育休を含む)」を取得し一定の要件を満たすと支給を受けることができます。
(要件)
① 被保険者が、対象期間に、同一の子について、出生時育児休業給付金が支給される産後パパ育休または育児休業給付金が支給される育児休業を通算して14日以上取得したこと。
② 被保険者の配偶者が、「子の出生日または出産予定日のうち早い日」から「子の出生日または出産予定日のうち遅い日から起算して8週間を経過する日の翌日」までの期間に通算して14日以上の育児休業を取得したこと、または、子の出生日の翌日において「配偶者の育児休業を要件としない場合」に該当していること。
支給額=休業開始時賃金日額×休業期間の日数(28日が上限)×13%
③育児休業給付金
原則1歳(注)未満の子を養育するために育児休業(2回まで分割取得できます)を取得した場合、一定の要件を満たすと支給を受けることができます。
(要件)
① 1歳未満の子を養育するために、育児休業を取得した被保険者であること(2回まで分割取得可)。
②休業開始日前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある(ない場合は賃金の支払いの基礎となった時間数が80時間以上の)完全月が12か月以上あること。
③ 一支給単位期間中の就業日数が10日(10日を超える場合は就業した時間数が80時間)以下であること。
(期間を定めて雇用される方の場合)
④ 養育する子が1歳6か月に達する日までの間に、その労働契約の期間が満了することが明らかでないこと。
④パパママ育休プラス
両親がともに育児休業をする場合に、一定の要件を満たした場合には、育児休業の対象となる子の年齢が、1歳2か月にまで延長される制度です。
(要件)
① 配偶者が子が1歳に達するまでに育児休業を取得していること
② 本人の育児休業開始予定日が、子の1歳の誕生日以前であること
③ 本人の育児休業開始予定日は、配偶者がしている育児休業の初日以降であること
⑤育児時短就業給付金(新設)
2歳未満の子を養育するために所定労働時間を短縮して就業した場合に、賃金が低下するなど一定の要件を満たすと支給を受けることができます。
(要件)
① 2歳未満の子を養育するために、育児時短就業する雇用保険の被保険者であること
② 育児休業給付の対象となる育児休業から引き続いて育児時短就業を開始したこと、または、育児時短就業開始日前2年間に、被保険者期間が12か月あること
加えて、次の③~⑥の要件をすべて満たす月について支給します。
③ 初日から末日まで続けて、雇用保険の被保険者である月
④ 1週間あたりの所定労働時間を短縮して就業した期間がある月
⑤ 初日から末日まで続けて、育児休業給付又は介護休業給付を受給していない月
⑥ 高年齢雇用継続給付の受給対象となっていない月
支給額=原則として育児時短就業中に支払われた賃金額の10%相当額を支給します。ただし、育児時短就業開始時の賃金水準を超えないように調整されます。
出所:厚生労働省「育児休業等給付について」
出所:厚生労働省「育児休業等給付の内容と支給申請手続」
今回は令和7年4月1日から創設される、「出生後休業支援給付金」と「育児時短就業給付金」を中心に育児休業等給付を見てきました。育児や介護に関する法律は毎年のように変更点があり、その度に就業規則等を変更される事業所様も多いと思います。弊所でもクライアント様に解りやすい資料をご提供できるように試行錯誤を繰り返しています。今回は概要のみを記載しましたが、細かい要件などもございますので、対象の方がいらっしゃいましたら顧問の社労士、ハローワークなどにご確認頂ければと思います。