このニュースを見て「よし!特別加入しないと」と思えるのは、かなり保険制度に詳しい方だけだと思います。普通は労災?特別加入??という方がほとんどです。今回は、労災の概要から特別加入まで簡単にお伝えしたいと思います。
🔴労災保険とは
正式には「労働者災害補償保険」と言います。その名の通り、労働者の災害に対して補償する国の制度です。労働災害は、業務災害と複数業務要因災害、通勤災害に分かれます。
🔵労災保険の対象者
労働基準法に規定する労働者(職業の種類を問わず、事業に使用される者で、賃金を支払われるもの)
つまりは、アルバイトでも、不法就労の外国人でも、働いて賃金が発生する場合は対象になります。
🔵労災保険が適用されない者
①下請負人 ②自営業者 ③同居の親族 ④法人の代表者 ⑤海外派遣者(出張中は対象になる)
🔵労災保険で補償される範囲
🔵労災保険の保険料
労災の保険料は会社が全額負担します
(一般的な例:一般保険料の場合)
賃金総額×労災保険料率(業種によって違う)で求められます
●賃金が月30万円で金属鉱業の場合
300,000円×88/1000(一番率が高い)=26,400円/月
●賃金が月30万円で不動産業の場合
300,000円×2.5/1000(一番率が低い)=750円/月
🔴特別加入とは
労働者「以外」の方が、一定の要件を満たす場合に任意加入できる制度
🔵第2種特別加入の対象者(一人親方等)
今回対象となったのは、1~21以外の事業者で「フリーランス(特定受託事業者)」と言います。フリーランスの皆さまが企業などから業務委託を受けて行う事業、すなわち物品の製造(例:電子機器の製造)・役務の提供(例:通訳)などを企業等から委託されて行う、いわゆるBtoBの事業(特定受託事業)が特別加入の対象となります。また、上記の特定受託事業を行う方が、同種の事業を消費者から委託を受けて行う場合(いわゆるBtoCの事業を行う場合)のケガ等も、補償の対象となります。
🔴特別加入のメリット
仕事中や通勤中の負傷・疾病・障害・死亡等に対して補償を受けることができる
第2種特別加入の保険料
給付基礎日額(1日当たりの収入を基準として加入時に3,500円から25,000円までの16段階から選択し、都道府県労働局長が承認した額)の365日分の0.3%(3/1000)です。
1日当たり10,000円の場合
10,000円×365日×3/1000=10,950円(年間)となります
🔵特別加入の手続き
特別加入の手続きは、都道府県労働局長の承認を受けた特別加入団体が行います。フリーランスの皆さまは、今後設立予定の特定受託業務の特別加入団体を通じて加入申請書等を所轄の労働基準監督署長を経由して都道府県労働局長に提出してください。
出所:厚生労働省「令和6年11月から「フリーランス」が労災保険の「特別加入」の対象となります」
今回、フリーランス(特定受託事業者)が対象になりましたが、個人的には特別加入をおすすめ致します。労災保険は車の保険で言うと自賠責保険のようなもので、必要最低限の保障があります。一人親方等は病気やケガで休めば収入が途絶える場合も多く、企業にお勤めの方のような福利厚生制度もありません。保険料もそれほど高額ではありませんので、ぜひご検討頂けると幸いです。※今回は解りやすくするために特別な場合などを除いて非常に簡易的にお伝えしています。詳しくは公的機関(労働基準監督署など)や特定受託業務の特別加入団体にお尋ね下さいませ。