本日は昨日の続きで、企業のDX活用事例を見ていきたいと思います。
🔴DXを推進するための「アジャイル開発」
アジャイル開発とは
2001年に著名な17名のソフトウェア開発者が集まり、ソフトウェア開発に関する主義や手法についての議論が行われました。アジャイル型ソフトウェア開発に求められるマインドセットについて、4つの価値で示すとともに、4つの価値の背後にある原則を12項目で示しました。
※12の原則は解りやすく要約しています。下記リンクに本文がありますのでご参照ください。
出所:Agile Alliance「アジャイルソフトウェア開発宣言」
出所:独立行政法人情報処理推進機構「アジャイルソフトウェア開発宣言の読みとき方」
🔴DXにアジャイル開発を採用すべき理由
DXは柔軟な対応が求められるプロジェクトであるため
DXは試行錯誤を繰り返して進めるため、実際に手を動かしてみてわかることが多いものです。また、新しい技術や、現場やユーザーの意見を柔軟に取り入れることで、DXの効果を高められます。課題の抽出から検証までを高頻度で繰り返すアジャイル開発であれば、スピーディーにDXを進められます。
出所:KDDI「DXにアジャイル開発を採用すべき理由」
🔴中小企業におけるDXの失敗事例
前掲でもありましたが、中小企業は大企業に比べどうしても「人材不足・資金不足・情報不足」になりがちです。特にTOPのDXへの理解・認識・意識によって導入以降に差が出てきます。失敗事例は裏を返せば成功事例になり得ますので、特によくある失敗例を見ていきます。
DXを導入すると間違いなく起こるのが「反発」です。業務量が増えることの反発、新しいことを覚えないといけない事への反発、DXに理解がない方からの反発、ITが苦手な方からの反発、管理職からの反発、・・・数え上げればきりがありません。必要性を理解してもらい、しっかり対話するところから始めないと、「会社の方針」と押し付けてしまえば対立が深まることは必至です。
🔴情報システム担当の主な役割
IT人材の不足から、100人以下の企業は情報システムを担当する人数が「1人、もしくは兼任」というケースも少なくありません。ITに詳しい人材が社内にいないとDXを推進することが難しくなります。社内で育成する場合には、ITスキルのある社員を探し、そのスキルのレベルを把握することから始めましょう。そして、人材育成の目的や方法を立案します。その後、社内でのOJTや社外の研修によって、スキルアップを図ります。可能な限り社内で人材を育成することが望ましいです。
出所:Onboarding「ひとり情シスとは?問題点や企業が抱えるリスクや解決方法をご紹介」
🔴日本とアメリカのデータ比較
ITに見識がある役員の割合
経営者・IT部門・業務部門の協調
先進的なデジタル技術を使った新しいビジネスへの取組状況
DXを推進する人材の「量」の確保
DXを推進する人材の「質」の確保
DXを推進する人材の育成方法
DXを推進する人材の評価基準
DX推進のための企業文化・風土の状況
データ利活用による「売上増加」効果
DXの取組状況(従業員規模別)
DXの取組の成果
出所:独立行政法人情報処理推進機構「中小規模製造業の製造分野における デジタルトランスフォーメーション(DX)のための事例調査」
🔴DXセレクション受賞企業(製造業の事例)
2024年度
株式会社リノメタル(金属加工業) /埼玉県八潮市
山口産業株式会社(製造業)/佐賀県多久市
株式会社髙梨製作所(製造業)/山形県西村山郡河北町
有限会社永井製作所(製造業)/ 群馬県邑楽郡邑楽町
鶴見製紙株式会社(製造業)/埼玉県川口市
株式会社NISSYO(製造業)/東京都羽村市
武州工業株式会社(製造業)/東京都青梅市
Jマテ.カッパープロダクツ株式会社(製造業)/新潟県上越市
株式会社ヤマサ(製造業・卸売業/長野県松本市)
協和工業株式会社(製造業)/愛知県大府市
三共電機株式会社(製造業)/愛知県稲沢市
日本ツクリダス株式会社(金属加工業)/大阪府堺市
オカネツ工業株式会社(産業機械、農業機械製造業)/岡山県岡山市
株式会社広島メタルワーク(精密板金加工・ステンレス加工・アルミ加工業)/広島県広島市
2023年度
株式会社フジワラテクノアート(醸造機械・食品機械・バイオ関連機器製造業/岡山県岡山市)
株式会社土屋合成(プラスチック製品製造業/群馬県富岡市)
池田食品株式会社(食品製造業/北海道札幌市)
株式会社田代製作所(室内建具・造作材製造業/秋田県大館市)
三井屋工業株式会社(自動車内外装品製造業/《本社》愛知県豊田市/《取組地》山形県米沢市)
スバル工業株式会社(金属製品製造業/群馬県館林市)
テラノ精工株式会社(自動機器・産業機械製造業/新潟県長岡市)
日本メッキ工業株式会社(金属製品製造業/新潟県柏崎市)
ケーシーアイ・ワープニット株式会社(製造販売業/富山県南砺市)
株式会社共進(金属製品製造業/長野県諏訪市)
宮川工業株式会社(電気製品・金属製品製造業/静岡県藤枝市)
2022年度
株式会社山本金属製作所(金属切削加工業/大阪府大阪市)
株式会社日東電機製作所(電気機械器具製造業/群馬県太田市)
アイビック食品株式会社(食料品製造業/北海道札幌市)
秋田酒類製造株式会社(製造業/秋田県秋田市)
株式会社丸秀(輸送機械器具製造業/本社:東京都大田区/工場:山形県長井市)
株式会社テック長沢(機械・部品製造業/新潟県柏崎市)
株式会社樋口製作所(輸送用機械器具製造業/岐阜県各務原市)
西機電装株式会社(製造業/愛媛県新居浜市)
株式会社セイブ(製造業/佐賀県西松浦郡有田町)
株式会社藤田ワークス(高精度精密板金加工業/鹿児島県霧島市)
今回は2回に渡ってDXについて見てきました。1990年代からのIT革命により、アメリカ中心の技術革新が続いています。私もWindowsが発売されたときは驚きましたし、仮想店舗やEコマース(電子商取引)、ビデオオンデマンドなど30年前には既に構想としてあったものが現実化しています。マイクロソフト創業者ビルゲイツが、「私たちはいつも、今後2年で起こる変化を過大評価し、今後10年で起こる変化を過小評価してしまう。無為に過ごしてはいけないんだ」と言っています。日本も現在はITやAIなどの分野で後れを取っていますが、将来を見据えての投資をしていく必要性を感じました。