ボーイスカウトと聞いて皆様は何を想像するでしょうか? 良く知らないという方がほとんどだと思います。最近はあまり見かけなくなりましたが募金活動(赤い羽根募金)や清掃活動、野外活動などが主な活動です。ネガティブな見方だと「右よりの思想」や「軍隊のよう」などと言われることもあります。実際私が「カブスカウト」・「ボーイスカウト」の活動をしていた経験を踏まえて、入っていて良かったと思う点・良くなかったと思う点などをお伝えします。※今と昔では相違することが多いですので参考程度にしてください。
🔴ボーイスカウトとは
・ボーイスカウトは、健やかな子どもを育成する世界的な運動です。この運動は、1907年にイギリスのブラウンシー島で行われた小さなキャンプからスタートしました。かねてから少年たちの教育に大きな関心をもち、このキャンプを主宰したイギリス人のロバート・ベーデン-パウエル 卿 は 、インドや南アフリカでの体験をもとにさまざまな野外教育を通じて、少年たちが男らしさを身につけ、将来社会に役立つ人間に成長することを願い20人の子どもたちとともに実験キャンプを行いました。このキャンプの体験をもとに、翌年『スカウティング フォア ボーイズ』という本を著し、少年たちの旺盛な冒険心や好奇心をキャンプ生活や自然観察、グループでのゲームなどの中で発揮させ、「遊び」をとおして少年たちに、自立心や協調性、リーダーシップを身につけさせようとしました。これがボーイスカウト運動の始まりです。
🔵世界共通のヴィジョン「Creating a Better World(より良き社会を創る)」
🔵目的 「より良き社会人の育成」
出典:ボーイスカウト日本連盟「ボーイスカウトの歴史」
🔴ボーイスカウトの活動
・小学校1年生4月~ ビーバースカウト
・小学校3年生4月~ カブスカウト
・小学校6年生4月~ ボーイスカウト
・中学校3年生9月~ ベンチャースカウト
・18歳~25歳 ローバースカウト
★私が入隊していた時は、「ベンチャースカウト」という名称ではなく「シニアスカウト」と呼んでいました。
🔴現在のとある隊のスケジュール(出典:愛知大学 西本寛ゼミ 西川様)
9月:カントリー大作戦(日帰り、地域の清掃)
10月:工作キャンプ(1泊2日、見張り台やパイオニアブリッヂなどの大型工作物作成)
11月:サイクリング(日帰り、隣町まで班対抗サイクリング)
12月:耐寒キャンプ(1泊2日、オリエンテーリング)
1月:クッキング対決(日帰り、正月料理の作成)
2月:スキー訓練(1泊2日、県外のスキー場にてスキー訓練)
3月:サバイバルキャンプ(1泊2日、山菜料理対決)
4月:ハイキング(日帰り、近隣の山に日帰り登山)
5月:班長体験キャンプ(1泊2日、後輩が班長として班運営をする)
6月:釣り(日帰り、近くの海や川で釣り対決)
7月:短期キャンプ(1泊2日、基本技能のおさらい)
8月:長期キャンプorジャンボリー(3泊以上、県外でキャンプ)
★この隊はキャンプが非常に多い印象です。私のボーイスカウト時代は、耐寒訓練(登山)・夜間歩行(夜から朝まで歩く)、スキー訓練・短期キャンプ・長期キャンプが印象に残っています。
🔴「カブスカウト」時代
隊長の家などで月に2回くらい集会があり、手旗信号や手話、ロープの結び方や応急手当の方法などを座学で学んだ記憶が強いです。キャンプは山の中ではなく、安全なキャンプ場のような所でテントを張って宿泊していました。日曜日は清掃や募金活動、ハイキングなどが多く楽しかったです。
🔴「ボーイスカウト」時代 大阪第28団 きつね班・班長でした
ボーイスカウトになり本格的に野外活動が始まります。キャンプ場ではなく山の中で、照明もトイレもない場所でテントを張り宿泊します。着いたらまず班長が指示を出し、隊員は役割ごとに動きます。かまどを作り火を起こす係、テントを張る係、湧き水を汲みに行く係、穴を掘って囲いを作りトイレを作る係など。マッチやライター、着火剤などは禁止なので、虫眼鏡で火を着けるか、木と木を擦り合わせて火を起こすことが多く、火が着けばとりあえず半分はクリアしたような感じでした。テントも今のような軽量ではなく、布製でペグも金属ですごく重かったです。
🔴短期キャンプと長期キャンプ
・春の短期キャンプ(略して短キャン)は1泊2日で近場。夏の長期キャンプ(地獄の長キャン)は、3泊4日で兵庫県の山奥に行くことが多かった印象です。
・キャンプで雨が降ると難易度が一気に上がります。火は付かない、枯葉が使えない、テントに水が入ってくる、夏の長キャンで雨だと疲れが2倍以上です。雨+強風の時は、ペグも抜けやすくなるのでテントが吹き飛ばされて谷底に落ちてしまったこともありました。また山は虫も大きく、ムカデなども普通にいます。一番怖かったのは野犬で、咬まれたら狂犬病に罹るおそれもあるので特に気を付けていました。
🔴世界のボーイスカウト
172の国と地域、5,700万人以上
・アジア太平洋地域(3098万人)
・ヨーロッパ地域(191万人)
・アラブ地域(29万人)
・ユーラシア地域(3万人)
・アフリカ地域(348万人)
・インターアメリカ地域(388万人)
・その他
🔴ボーイスカウトで学んだこと
「普通にある」ことのありがたさ
屋根があるので雨が降っても問題ない、エアコンがあるので暑さ寒さも関係ない、水道から水がいつでもどれだけでも出る、電気があるので明るい、野犬や猪・害虫などを心配する必要がないなど、普通に生活していれば当たり前で気にもならないことが有難く感じます。これは大人になってからもストレス耐性に強くなったり、災害に罹患したとしても最低限の生活に適応しやすいなどのメリットがあります。
チームワーク
6人から7人で1つの班なので、一人一人にかかるマンパワーが非常に大きいです。上下関係もしっかりしており、チームとして組織としてどう動くべきかの意思決定が非常に速いです。これは企業内での最小単位にも似ており、チームワークがいかに大切かを学べます。
【結論】入隊時は「しんどいから行きたくない・かっこ悪いし嫌だ」と思っていましたが、大人になると「入っていて良かった」と思うことが多いです