プレスリリースと聞いて、「うちには関係ないよ!大企業の専売特許でしょ?」と思われた方は多いのではないでしょうか。弊所もプレスリリースを出したこともなく、対象になるという意識もありませんでした。しかし近年、効果的な広報手段として活用されている中小企業も出てきています。今回は、企業の認知度を高め、ブランディングとしても有効なプレスリリースについて見ていきたいと思います。
🔴プレスリリースとは
PRESS(報道機関)・RELEASE(発表・公開)とあるように、企業が報道機関に向けて情報を公開することを指します。また企業からの情報が記載された文書そのものを「プレスリリース」と呼ぶ場合もあります。中小企業の場合、新商品や新しいサービスを開発したとしても報道機関(メディア)が見つけてくれる可能性は低いですし、さらに記事として掲載してくれることなどほぼありませんので、多くの場合はお金を払って広告を出すことが一般的だと思います。弊所でも広告の営業電話やメールは多くありますが、報道機関からの取材は一回もありません。(取材という名目での広告営業は良くあります)
プレスリリースをする主な目的
1.認知度のアップ
お客様の購買に至る心の動きをマインドフローと呼び、大きく分けて7つのセクションに分かれます。
この7つのフローの中でも認知が一番重要で、いくら良い商品やサービスがあっても、知られていなければ次の興味のステップに進めませんし、利用しての口コミやご紹介を頂くこともできません。認知度のアップがプレスリリースをする最初の大きな目的です。
2.ブランドの信頼性構築
メディアは公共性を含んでいますので、一定のメディアでの掲載は商品やサービスの信頼性や安心感に繋がる場合が多く、企業のブランディングにも役立ちます。特にほとんどの方が全く知らない中小企業では、プレスリリースにより会社の情報や商品の背景などを知ってもらえるチャンスが生まれます。
3.営業活動のバックアップ
近江商人の商売10訓のひとつ「良き品を売ることは善なり、良き品を広告して多く売ることはさらに善なり」にもあるように、まずは良い商品を作り、広告し多く売ることで社会貢献にも繋がるとされています。プレスリリースの目的1「認知」・2「ブランディング」により、営業活動にもプラスの効果が生まれます。
参考:近江商人の商売10訓
近江商人が興した有名企業
出典:東近江市博物館「近江商人とは」
4.SEO対策
プレスリリースをした記事や情報をリンクし、ホームページやSNSなどで紹介することで、ホームページ等への流入が増えSEOに好影響を与えます。また拡散してくれる媒体などもあれば更に効果的で、同業他社と比較して検索で有利に働くこともあり得ます。
SEO対策とは、Search Engine Optimizationの略でWebサイトを検索エンジン(GoogleやYahoo等)の検索結果で上位に表示させるための施策を言います。
5.ステークホルダーへのアピール
ステークホルダー(利害関係者)へのプレスリリース情報の提供により、会社の方向性や将来性などを示すことができ、商品やサービスの協業・紹介に繋がったり、社内外に対してメッセージを伝える役割もあります。
🔴プレスリリースの成功とは
企業にとってプレスリリースが成功したと明らかに言えるのは、メディアの取材や報道がなされた時だと言えます。前述の認知度のアップやブランディングなども客観的な媒体が報道するのと、自社がみずからアピールするとのでは見た方の評価が全く違ってきます。ただ大企業と違い、プレスリリースをしたからと言って中小企業の商品やサービスがメディアに取り上げられる確率は非常に低いです。せっかく時間やお金を使ってプレスリリースをするのですから、メディアに取り上げられやすい内容や構成を考える必要があります。一例をあげれば、専門家に指導や確認をしてもらう方法もありますし、以前にメディアに取り上げられたプレスリリースを参考にする方法などがあります。どんな方法も成功の保障はありませんが、少しでも確率を上げる行動を起こすことが大切になってきます。
🔵プレスリリースを配信するときの5つのポイント
1.5つの要素で構成する
2.事実を正確に伝える
数値やデータなど出所がしっかりした正確な情報を具体的に記載する。
3.「起承転結+展」の構成で作成する
まずは構成などを真似てみる。プレスリリースのテンプレート20選
4.社会性やトレンド性などを表現する
読み手を引き込むための「フック」を意識し、重要なポイントや、生活者・社会にとっての価値などを明確にすることでメディアに取り上げられる確率が上がる
5.画像や動画を使って理解しやすくする
メディア関係者が活用しやすい画像サイズ、解像度を意識することで掲載の確率が上がる
出典:PR TIMES MAGAZINE「プレスリリースとは?意味、配信する目的と使い方を広報担当者がわかりやすく簡単に解説」
🔴人気のあるプレスリリース配信サービス会社
出典:Soichiro inc.「中小企業こそプレスリリースを配信しましょう!得られる効果や配信のコツをご紹介します。」
今回はプレスリリースについて見てきました。PR TIMESの記事を良く拝見するのですが、プレスリリースの記事が思ったほど料金が高くないことに驚きました。中小企業でも上手く活用し認知度のアップなどで売り上げに繋がれば費用対効果は高くなります。弊所も今後はホームページからの集客に加え、プレスリリースも取り入れてみようと思います。また今後実践しましたら効果・検証の記事を出させていただきますのでお楽しみに。