弊所が専門にしている製造業ですが、1980年代に3Dプリンタが開発され、2014年に特許が切れて普及しだしたときは製造業にとって大きなニュースになりました。そして現在、製造業で注目されているのは「デジタルツイン」という技術ですが、まだまだ知らない方も多いと思います。今回はデジタルツインとメタバースによる仮想空間の違いや、今後の未来像について見ていきたいと思います。
🔴デジタルツインとは
現実世界から集めたデータを基にデジタルな仮想空間上に双子(ツイン)を構築し、さまざまなシミュレーションを行う技術である。街や自動車、人、製品・機器などをデジタルツインで再現することによって、渋滞予測や人々の行動シミュレーション、製造現場の監視、耐用テストなど現実空間では繰り返し実施しづらいテストを仮想空間上で何度もシミュレーションすることができるようになる。
出所:総務省「デジタルツイン」
🔵デジタルツインの仕組み
今までのデジタルツインは、「車→自動運転」、「人→医療」など目的に応じて個別シュミレーションしていましたが、最近では更に一歩進んだ技術も開発されてきています。個別のデータを融合し全体としてシュミレーションするなど都市開発などに応用する技術です。
🔴メタバースとは
元は、「超(メタ)」と「宇宙(ユニバース)」を組み合わせた造語。インターネット上に仮想的につくられた、いわばもう1つの世界であり、利用者は自分の代わりとなるアバターを操作し、他者と交流するものである。仮想空間でありながら、メタバース上で購入した商品が後日自宅に届くなど、現実世界と連動したサービスも試験的に始まっているほか、仮想的なワークスペースとしてBtoBでの活用への広がりも期待されている。2021年10月にFacebook®が新しい企業ブランド「Meta」を発表したことは記憶に新しいところです。
出所:総務省「メタバース」
🔵メタバース(仮想世界)の仕組み
🔴デジタルツインの市場規模(産業別・予測)単位:億ドル
出所:総務省「世界のデジタルツインの市場規模(産業別)」
※2035年には6,255億ドルに成長すると予測されています
🔴メタバースの市場規模(予測)単位:億ドル
出所:総務省「進化するデジタルテクノロジーとの共生・メタバースの市場規模」
今回はデジタルツインとメタバースの概要を見てきました。特に市場規模(予測)の上昇には驚きます。4Gから5Gになり様々なサービスが向上したように、5Gから6Gになる時にはこのようなサービスが当たり前になっているかも知れません。ただ全てにおいてエネルギーも今以上に使用することになるので、人口増加によるエネルギー消費も増えてくる中、対策をどうするかも大きな課題になりそうです。