最近固いテーマが続きましたので、休息を兼ねて現在熱戦が繰り広げられているウィンブルドンテニス2024をきっかけにテニスについて簡単にお話していきたいと思います。
弊所代表は高校から硬式テニスを始め、テニス歴32年・コーチ歴10年と人生の長い期間テニスをプレイしてきました。そんなテニス大好き人間が感じるテニスの魅力は何なのでしょうか?
🔴テニスの魅力
簡単そうに見えて難しい
外から見る分には、優雅に楽しくプレイしているように見えますが、実際はかなりの運動量です。初心者のうちは頭で考えすぎて体が動かない、素早い判断が出来ず動きが遅れるなど考えすぎてもダメと言われ、考えないとダメと言われ訳が分からなくなることも。
戦略的である
テニスの醍醐味は戦略がはまった時だと思います。こういうボールを打てば、相手はこう返してくるだろう(ここにしか返ってこないだろう)からと事前に予測して動き、思い通りにポイントが取れたときなど、レベルが上がっていくほど喜びは大きくなります
生涯スポーツ
80歳くらいの方でも元気にプレーされていらっしゃる方もいます。若い時の動き方はできませんが、経験に裏付けされた大人のプレーは見ていて勉強になります。
🔴テニスの難しいところ
動きながら瞬時の判断をしないといけない
テニスは相手がいるので、相手のペースに持っていかれないように自分の状態を客観的に見ながら相手の状態の把握を同時にしないといけない難しさがあります。
覚えるショット(技)が多い
大きく分けると、フォアハンドストローク・バックハンドストローク・フォアボレー・バックボレー・サーブ・スマッシュの基本6ショットです。余程のセンスの持ち主か、時間を集中して費せる方以外は、テニス歴10年でも基本6ショットを苦手なく打てる方は少ないです。また苦手があると苦手部分を集中して攻撃されるスポーツでもあります。
🔴シングルスとダブルス
世界ではシングルス、日本ではダブルスが主流です。シングルスは1vs1、ダブルスは2vs2でプレーします。シングルスは男子シングルス・女子シングルスの2種類、ダブルスは男子ダブルス・女子ダブルス・ミックスダブルス(男女のペア同士で戦います)の3種類に分けられます。シングルスは主にフィジカルとメンタルが重要で、ダブルスは戦略性とチームワークが重要になり、別スポーツのような感覚でプレーします。
🔴主なテニスコートの種類
クレーコート(土のコート)レンガを砕いた赤土:レッドクレーもあります
主にヨーロッパに多く、フランス・スペインなどでは幼少期からクレーコートでプレーします。球足が遅く、ラリーが続くのでフィジカルの強い選手が得意とします。
ハードコート(コンクリートのような固いコート)
アメリカを中心に世界中にあり、一般的な方がイメージされるテニスコートのスタイルです。ボールがよく跳ねるので、身長が高い方が有利になります。少しの雨でも滑ってプレーできなくなるので、雨が多い日本には適さないコートかも知れません。
カーペットコート(主に室内専用)
積雪があるようなヨーロッパ地方に多く、大きな大会も行われています。球足が非常に速く、パワーのある選手や、相手の球の勢いを利用したカウンターショットが活きるコートです。
芝生のコート(ウィンブルドンのようなコート)
芝生の管理が大変で、ほとんどウィンブルドン以外で見かけることはありません。私も生涯で一度もプレーしたことはありません。球足が非常に速く、プロでも芝生のコートの試合に出るときは、時間をかけて調整するくらい特異で難しいコートです。
オムニコート(人工芝に砂をミックスしたもの)
少々の雨でもプレーできるくらい雨が多い日本に適したコートです。クレーコートとハードコートの良さを持っていますが、悪く言えば強みを活かせない中途半端なコートです。海外ではほぼ見かけません。
🔴テニスの4大大会(グランドスラムとも言います)
※為替の変動により変化あり・全米オープンは2024年度は未発表で、2023年度の賞金
優勝賞金も年々増加傾向です。20年前と比べると約4倍になっています。また賞金総額も上がっており、1回戦敗退でも約1,200万円程度の賞金が貰えます。ただこれはシングルスの賞金であり、ダブルスの賞金は1/4・ミックスダブルスの賞金は1/16程度になります。
🔴現在のシングルス世界トップ10と日本人トップ10のランキング
●シングルス世界トップ10(2024-7-1現在)
●シングルス日本人トップ10(世界順位)
男子では、錦織圭が最高4位。女子では、大坂なおみが最高1位まで行きましたが、現在はグランドスラムの本選に出場する選手も少なくなっています。男子では、ダニエル太郎・錦織圭が1回戦敗退、西岡良仁が2回戦敗退、女子は、内島 萌夏・日比野 菜緒が1回戦敗退、大坂 なおみ・宮崎 百合子が2回戦敗退と世界の舞台では厳しい戦いになっています。ただ車いすテニスの小田凱人、上地 結衣が頑張っておりベスト8まで残っています。車いすテニスはまだあまり知られていませんが、ボールを2バウンドまでOKとするルール以外はすべて同じです。レジェンドの国枝慎吾が世界的に有名ですが、尋常ではない体力・精神力・瞬発力などが必要とされるスポーツです。
🔴日本歴代のレジェンドたちとBIG4
大坂なおみ
日本人初のグランドスラム大会の優勝を4回達成し、自他ともに認める日本のトップ選手です。特に2018年のセレーナウイリアムズとの熱戦は記憶に残る一戦です。フィジカル・実力は申し分ないのですが、メンタルの波があり実力を発揮できないこともあります。2023年7月に長女を出産し、ツアーに復帰しました。
錦織圭
若くから才能に恵まれ、フロリダのIMGアカデミーで才能が開花しました。2014年全米オープン大会で準優勝に輝きましたが、彼の実力であればグランドスラム大会の複数回の優勝もあり得たはずの天才です。ただ同じ時代に歴代でもトップを争う選手(BIG4)が集まり、グランドスラムの優勝は出来ませんでした。
伊達公子
テニス選手にしては身長が低い(163㎝)ながらも、ライジングショットという一見出来そうに見えるが誰も真似ができないショットを武器に世界で活躍する。人並外れた洞察力で瞬時に相手の状態を把握する能力は歴代屈指。特にシュテフィグラフとの戦いは歴史に残る一戦。最高位4位。
杉山愛
日本人初のジュニア世界ランキング1位を獲得し、将来を嘱望されていた。プロになっても勢いが止まらず安定した成績で、最高位はシングルス8位・ダブルス1位という、シングルスもダブルスも一流という世界でも珍しいスーパープレイヤー。2023年度から日本代表監督を務める。
松岡修造
今でこそバラエティで熱い言動を連呼する、少し暑苦しいキャラクターですが、現役時代は長身(188㎝)から繰り出すサーブ&ボレーで日本のトップ選手かつ日本テニス界の貴公子でした。最高位は46位。父は元テニス日本代表選手というサラブレッド。
国枝慎吾
日本が誇る世界的なレジェンド。グランドスラム車いす部門で、男子世界歴代最多となる計50回(シングルス28回、ダブルス22回)優勝の記録保持者。2023年に世界1位のまま引退。小田凱人を後継者に指名した。日本の記者から「なぜ日本にはあなたのような選手が出てこないのか」という問いかけに、ロジャー・フェデラーは、「日本には“シンゴ”がいるじゃないか」と答えたエピソードがある
🔵BIG4(男子シングルス)
ロジャー・フェデラー(スイス)
テニス界で最も華があり憧れられることの多いスーパースター。2022年引退。プレイしている自分自身をゲームを操作しているかの如く冷静に分析できる能力はNO1。今は珍しい片手のバックハンド。現在行われているウィンブルドン大会が最も得意で、通算8勝で芝の王者。グランドスラム優勝回数歴代3位(20勝)
ラファエル・ナダル(スペイン)
土魔人と言われるくらい全仏オープンのクレーコートが得意(歴代最多14勝)で、圧倒的なフィジカルで何時間でも集中しきれる能力はNO1。BIG4唯一の左利き。紳士的な立ち振る舞いで、選手間からも人気が高い。グランドスラム優勝回数歴代2位(22勝)
ノバク・ジョコビッチ(セルビア)
何年前から活躍しているのか忘れるくらい長期間トップで活躍している選手。派手なプレーではなく堅実なプレーを長時間できるフィジカル・メンタルは歴代NO1。端正な顔立ちで女性ファンも多い。苦手なプレーがなくミスも少ないので、機械のようだとも評される。全豪オープン通算10勝。グランドスラムは男女通じて歴代1位タイの24勝
アンディ・マレー(イギリス)
BIG4の一角だが、ケガで戦列を離れることが多く、実力がありながら実績では上記の3人とは大きな開きがある。グランドスラム3勝
🔴おすすめのテニス漫画
ベイビーステップ
テニス漫画には、「エースをねらえ」「テニスの王子様」など有名な漫画があるが、魔球だったり人間離れしたプレーだったりと現実から大きくかけ離れている。その点この漫画は、好きか嫌いかは置いておいて論理的な話が多く実際にプレーしている人やこれからプレーしてみようとする人に非常に参考になる漫画だと思います。
🔴世界のスポーツランキング
今回は休息の意味を込めて「テニス」に焦点を当ててみました。テニスは日本ではメジャーなスポーツではありませんが、世界的な視点で見てみると競技人口が世界6位のスポーツです。野球も良いですが、たまには他のスポーツも報道して頂ければファンも増えると思います。
参照:世界のスポーツランキングとは?人気や競技人口、アスリート年俸のランキングについて解説