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【2026年8月10日〜16日】人事労務5大ニュース+保険代理店の人事労務

WEEKLY HR NEWS|2026.08.10–08.16
今週の人事労務5大ニュース
+保険代理店の人事労務

Dreamin’ 社労士事務所

人事労務に関するニュースは毎週数多く公表されていますが、そのすべてを追いかけるのは大変です。

そこで今回は、2026年8月10日(月)〜16日(日)を中心に、経営者・人事労務担当者が押さえておきたいニュースを5つ厳選しました。

さらに、Dreamin’社労士事務所が専門分野として取り組む「保険代理店の人事労務」の視点から、保険代理店経営者が知っておきたい人事労務ニュースを1本ご紹介します。

WEEKLY DIGEST

今週の1分ウォッチ

01

メンタルヘルス対策、実施事業所は63.0%

小規模事業所ほど取組みに差が見られます。「不調者が出てから」ではなく、相談できる職場づくりが重要です。

02

人事院勧告、給与は平均3.51%引上げ

平均15,056円・3.51%の引上げを勧告。民間企業の採用・賃金を考えるうえでも注目したい動きです。

03

デジタル庁が「出産後の手続ガイド」を公開

出産後に必要な行政手続を確認しやすくする案内です。会社側も従業員への案内を整理しておきましょう。

04

テレワーク規程、“コロナ期のまま”になっていませんか?

制度を作った当時と現在の働き方が変わっている会社もあります。規程と実際の運用が一致しているか確認が必要です。

05

10月1日からパート・有期社員に関するルール改正

雇入れ時の労働条件明示などが変わります。現在使用している労働条件通知書を確認しましょう。

SPECIAL|保険代理店の人事労務
10月1日からカスハラ対策が義務化
お客様対応を「担当者任せ」にしていませんか?
NEWS 01|今週の注目

メンタルヘルス対策に取り組む事業所は63.0%

厚生労働省が公表した「令和7年 労働安全衛生調査(実態調査)」では、メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所の割合は63.0%でした。

事業所規模別では、企業規模による差が大きいことが分かります。

93.7%50人以上
72.0%30〜49人
54.6%10〜29人

また、過去1年間にメンタルヘルス不調によって1か月以上休業した労働者、または退職した労働者がいた事業所は13.5%でした。

社労士の視点

中小企業では、「人数が少ないから大丈夫」「本人から相談があれば対応する」となりがちです。しかし、人数が少ない会社ほど、1人の長期休職や退職が職場全体に与える影響は大きくなります。

大がかりな制度を導入する前に、基本的な仕組みから整えることが重要です。

  • 相談先を明確にする
  • 管理職が異変に気づけるようにする
  • 長時間労働を放置しない
  • ハラスメント相談体制を整える
  • 休職・復職時のルールを決めておく

「メンタルヘルス対策=ストレスチェックだけ」ではありません。日常の労務管理そのものが予防策になります。

出典:厚生労働省「令和7年 労働安全衛生調査(実態調査)結果の概要」
厚生労働省の公表ページを見る
NEWS 02|賃金

人事院勧告、給与を平均15,056円・3.51%引上げへ

人事院は8月7日、2026年の給与勧告を行いました。国家公務員の給与について、平均15,056円、3.51%の引上げを勧告しています。

ボーナスにあたる特別給についても0.05月分引き上げ、年間4.70月分とする内容です。人事院は、民間企業の賃上げ状況などを反映した高水準のベースアップと説明しています。

15,056円平均引上げ額
3.51%平均引上げ率
4.70月年間の特別給

社労士の視点

これは国家公務員の給与勧告ですので、「民間企業も3.51%上げなければならない」という話ではありません。

ただし、最低賃金の上昇だけでなく、社会全体で賃金水準が上がっていることは、中小企業の採用・定着にも影響します。

これから重要になるのは、「いくら上げるか」だけではなく、「なぜその給与になるのかを説明できるか」です。

基本給、役職手当、資格手当、昇給基準などが長年継ぎ足しになっている会社は、今後の賃上げを機に賃金制度そのものを整理する良いタイミングかもしれません。

出典:人事院「令和8年 人事院勧告」
令和8年 人事院勧告の公表ページを見る
NEWS 03|出産・育児

デジタル庁が「出産後の手続ガイド」を公開

デジタル庁は8月13日、「出産後の手続ガイド」に関する案内を公開しました。

出産後に必要となる行政手続について、マイナポータルを活用して確認できるよう案内するもので、リーフレットも公開されています。

社労士の視点

出産後は、本人や家族が行政手続に追われる一方、会社側でもさまざまな手続・管理が発生します。

  • 社会保険関係
  • 扶養関係
  • 育児休業
  • 育児休業給付
  • 保険料免除
  • 復職予定の確認

ここで大切なのは、従業員任せにしないことです。

「出産したら、この資料を渡す」「会社で必要な手続は、このチェックリストで確認する」といった形で標準化しておくと、本人にも会社にも安心です。

特に従業員数の少ない会社では、出産・育休が数年に一度しか発生しないため、担当者が毎回ゼロから調べることになりがちです。頻度が低い手続ほど、仕組みにして残しておくことが重要です。

出典:デジタル庁「広報資料|出産後の手続ガイド」
デジタル庁の公表ページを見る
NEWS 04|働き方

テレワーク規程、「作ったまま」になっていませんか?

厚生労働省と総務省が共同で運営する「テレワーク総合ポータル」では、8月10日の新着情報として、「テレワーク制度の方針・目的は、社員に伝わっていますか?」というコラムが紹介されました。

コラムでは、コロナ禍をきっかけにテレワークを導入したものの、規程が十分整備されていなかったり、現在の運用実態と規程が合わなくなっていたりするケースが紹介されています。

また、テレワーク制度を長く効果的に運用するには、制度の目的を明確にし、その目的に沿って規程を整備・見直すことが重要とされています。

社労士の視点

これはテレワークに限った話ではありません。就業規則や各種社内規程は、「作ったら終わり」ではなく、「実際の運用と合っているか」が重要です。

  • 在宅勤務できるのは誰か
  • 週何回まで認めるか
  • 勤務時間をどう把握するか
  • 中抜けをどう扱うか
  • 費用負担をどうするか
  • 情報管理をどうするか

コロナ禍に急いで作ったテレワーク規程をそのまま使っている会社は、一度「今の働き方とのズレ」がないか確認してみましょう。

出典:厚生労働省・総務省「テレワーク総合ポータル|コラム22『テレワーク制度の方針・目的は、社員に伝わっていますか?』」
テレワーク総合ポータルのコラムを見る
NEWS 05|10月施行に備える

パート・有期社員の「同一労働同一賃金」ルールが10月1日から変わります

2026年10月1日から、パートタイム・有期雇用労働者に関するルールが改正されます。

厚生労働省によると、主な改正内容は次の3点です。

  • 雇入れ時の労働条件明示事項の追加
  • 同一労働同一賃金ガイドラインの改正
  • 雇用管理の改善等に関する措置内容の改正

厚生労働省は、改正に対応したモデル労働条件通知書も公開しています。

社労士の視点

10月1日まで、あと約1か月半です。

特にパート・有期契約社員を雇用している会社では、現在使用している「雇用契約書・労働条件通知書」が10月以降もそのまま使えるのかを確認しておきましょう。

また、今回の改正は書類を1行追加すれば終わり、という問題ではありません。正社員とパート社員で、「なぜこの手当は違うのか」「なぜ賞与の扱いが違うのか」と聞かれたとき、会社として説明できる状態になっているかも重要です。

書類の整備と同時に、実際の待遇差についても一度棚卸ししておくことをおすすめします。

出典:厚生労働省「2026年10月からパートタイム・有期雇用のルールが変わります―3つの改正ポイント」
厚生労働省の解説ページを見る
参考:厚生労働省「同一労働同一賃金特集ページ」
SPECIAL|保険代理店経営者が知っておきたい人事労務ニュース

10月1日からカスハラ対策が義務化

お客様対応を「担当者任せ」にしていませんか?

2026年10月1日から、カスタマーハラスメント対策がすべての事業主の義務となります。

企業には、会社としての方針を明確にし、相談体制や適切な対応の仕組みを整えていくことが求められます。

なぜ保険代理店に重要なのか

保険代理店では、日常的に多くのお客様と接します。特に、次のような場面では、お客様の不安や不満が強くなりやすくなります。

  • 事故が起きたとき
  • 保険金の支払いに関する説明
  • 保険料が上がったとき
  • 契約更新のとき
  • 補償対象にならなかったとき
  • お客様の希望どおりの対応が難しいとき

もちろん、通常の苦情や正当な要望には誠実に対応する必要があります。

一方で、暴言、威圧的な言動、長時間の拘束、従業員個人への攻撃などが発生した場合まで、「お客様だから仕方がない」として担当者一人に対応させ続けることは、これからの労務管理では見直す必要があります。

社労士の視点

保険代理店で特に確認していただきたいのは、「困ったお客様への対応ルールが、社長の頭の中にしかない状態になっていないか」ということです。

例えば、次のような点を会社として決めておく必要があります。

  • どの段階で上司へ引き継ぐのか
  • 暴言が続いた場合に対応を終了できるのか
  • 電話を長時間切らせてもらえない場合どうするのか
  • 担当者個人の携帯電話・LINEでどこまで対応するのか
  • 従業員が精神的な負担を感じた場合、誰に相談するのか
  • 問題となった顧客対応を社内でどのように記録・共有するのか

保険代理店は、「お客様を大切にすること」と「従業員を守ること」の両方が求められる業種です。

カスタマーハラスメント対策は、「お客様を拒絶するための制度」ではありません。どこまでが通常の苦情対応で、どこから会社として従業員を守るべきなのか。その判断基準をあらかじめ決めておくことが重要です。

保険代理店で今から確認したいこと

10月1日の施行までに、まずは次の点を確認してみましょう。

  1. カスハラに対する会社方針を決める
  2. 従業員からの相談窓口を決める
  3. 顧客対応を上司へ引き継ぐ基準を決める
  4. 暴言・長時間拘束などが起きた際の対応方法を決める
  5. 就業規則・社内規程・マニュアル等を確認する

そして最も大切なのは、「困ったときは、一人で抱え込まず会社に相談してよい」と従業員に伝えておくことです。

お客様との信頼関係を大切にする保険代理店だからこそ、同時に、そこで働く従業員が安心して顧客対応できる環境を整えておく必要があります。

今週の保険代理店経営者への1ポイント
「うちの会社では、お客様から暴言を受けた社員は誰に相談するのか?」
この質問にすぐ答えられるか、確認してみてください。答えが曖昧であれば、今が社内ルールを整えるタイミングです。
出典:厚生労働省「令和7年労働施策総合推進法等の一部改正について」
厚生労働省の改正法・リーフレット掲載ページを見る
参考:厚生労働省委託事業「岡山働き方改革推進支援センター」

今週のまとめ

今週は、メンタルヘルス、賃金、出産後の手続、テレワーク、同一労働同一賃金と、「制度を作るだけでなく、実際の運用を見直す」ことの重要性が感じられるニュースが多くありました。

特に中小企業では、制度や法律が変わるたびにすべてを完璧に対応することは簡単ではありません。だからこそ、「今すぐ対応が必要なこと」「10月までに準備すること」「今後少しずつ整えていくこと」を分けて考えることが大切です。

今週まず確認したいのは、①メンタルヘルスの相談・休職体制、②パート・有期社員の労働条件通知書、③出産・育休手続の社内フローの3点です。

加えて、保険代理店では、顧客対応の現場で起こり得るカスタマーハラスメントなど、業種特有の人事労務リスクにも目を向けておく必要があります。

小さな確認の積み重ねが、将来の労務トラブル防止につながります。

Dreamin’社労士事務所では、今後も毎週、経営者・人事労務担当者の皆さまにとって重要なニュースを、「結局、会社は何をすればいいのか」という視点からわかりやすくお届けします。

出典URL確認日:2026年8月17日

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