昨日(7月3日)、アプリ開発スタートアップのnewmo(ニューモ)が大阪の中堅タクシー会社「未来都(ミライト)」を買収し、タクシー会社の管理の下で日本版ライドシェアを始めるとの発表がありました。共存できるのか?それとも戦いが始まるのか? タクシー会社も生き残りをかけて必死です。現状の分析と今後を占っていきたいと思います。
🔴ライドシェアとは
ライドシェアとは、プラットフォーム(サービスとお客様を結ぶシステム)を介して、時間と車が空いている一般のドライバーが、移動サービスを求める乗客に対して、移動サービスを提供するというもの。
ドライバーと乗客のマッチングを行うプラットフォームは、一定の規制のもと、ドライバーの評価システム・バックグラウンドチェック、乗車履歴の記録等のICTを駆使した透明化、万が一の場合の補償制度等により、ドライバー及び乗客の安全性を確保する。 出典:消費者庁「ライドシェアとは?」
ICTは先日の記事(令和6年度「輝くテレワーク賞」の募集が始まりました)でご紹介させて頂きました。ライドシェアの利用料金は、タクシーと同程度と言われています。
🔴日本のタクシーとライドシェアのメリット・デメリット
・こうやって見ていくと、どちらも概ね兼ね備えているのが「タクシーGO」などのアプリで呼ぶシステムですので、わざわざライドシェアを導入する必要性は何?と感じました。忙しい時間帯にマッチングできれば良いですが、忙しい時間帯はライドシェアも忙しいでしょうし、料金も大幅に安くならない限り、タクシーの方が個人的には安心かなと感じます。
🔴タクシー運転手とライドシェア運転手のメリット・デメリット
・お客様のメリットは少ないように感じますが、ドライバー側のメリットは大きいと感じます。仕事が継続してあればの話ですが。ただ、女性ドライバーは危険度が高そうです。
🔴海外のライドシェア事情
海外では主に、TNC型ライドシェアとPHV型ライドシェアがある。※UBERの場合
・米国では2016年にタクシー会社最大手イエローキャブ社がUberやLyftとの競争の影響で破産申請を行ったと報じられました。
・女性ドライバーが女性客のみとマッチングするシステムもある
🔴ライドシェアの問題点
・一番懸念されるのは安全性だと思います。タクシーもたまに変なドライバーがいますが、危険な運転をするケースは少ないように感じます。二種免許では「旅客」としての心構えや「プロドライバー」としての運転技術(安全性)などを学びます。自己満足的な運転技術よりも、安全に目的地に到着することの重要性を考えて運転しているケースが多いのではないでしょうか。人の命を預かる仕事ですので、簡単に考えていると思わぬ大事故に繋がりかねません。私の知り合いのタクシードライバーさんも、人が飛び出してきて急ブレーキを踏む夢を頻繁に見ると仰っておられました。
🔴大阪万博とライドシェア
2025年4月13日(日) – 10月13日(月)まで、大阪万博が開催されます。それに伴い、交通機関がいつも以上に混雑します。開催場所は「夢洲」という、舞洲(オリックスバファローズの2軍球場があります)と南港(インテックス大阪など)からしかルートがない埋め立て地です。1本ずつしか橋が架かっておらず、誰が考えても大渋滞になることが目に見えています。万博期間中、大阪府内でタクシーの数が1日最大2400台足りないそうです。ライドシェアを規制緩和するよう吉村知事は提言していますが、一般車立ち入り禁止・ライドシェア立ち入りOKなどとするのなら、大型バスの運転手をかなりの高給で万博期間だけ雇用する方が良いのではと思います。
🔴終わりに
ライドシェアは、公共交通機関が少ない地域や、車がないと不便な地域には良いかも知れませんが、大阪や東京などではタクシーが不足する時間帯はほとんどありません。よほどの大雨などで公共交通機関がストップしてしまうケースなどはタクシーの確保に困りますが、そんなケースは稀でしょう。メディアでは、タクシー不足の映像を流して危機感をあおっていますが、今まで終電を逃した人たちで溢れかえっていた北新地やミナミの歓楽街のタクシー乗り場の光景は、打って変わりタクシーの長蛇の列で埋め尽くされています。個人的な感想としては、ライドシェアの必要性に疑問を感じました。