東京都の知事選が本日告示されました。現職の小池知事に蓮舫氏など56人が立候補し、前回の22人の立候補者を大きく上回りました。以前の記事「世界の人口2024 データから考える未来」で東京都の人口は世界76位に相当すると書きましたが、日本の人口の1/10以上を占める首都東京の影響力は相当大きく、今後の衆議院選挙の行方を左右するとして大変注目されています。
現在の岸田内閣の支持率は低空飛行を続けており、物価の高騰も相まって国政への不満が高まっている状況ではありますが、日本は無党派層が多く、投票率も先進国ではかなり低い(衆議院:令和3年・約56%、参議院:令和4年・約52%)のが現状です。私も選挙には行きますが、恥ずかしい話、誰に投票すれば良いかの情報収集がほとんどできていない状態で投票するので、地域の代表に対して申し訳ない気持ちです。今回は、自分自身の勉強を兼ねて国会議員にテーマを絞って掘り下げていきたいと思います。
🔵日本の国会議員は、皆さんのご存じの通り、「衆議院」と「参議院」に分かれています。
●衆議院議員「総選挙」
衆議院議員を決めるための選挙を「総選挙」といい、任期の満了(4年)または衆議院の解散によって選挙が行われます。定数は「465人」で、289人が小選挙区、176人が比例代表です。
出典:総務省(選挙の種類)
●参議院議員「通常選挙」
参議院は解散がないので、任期満了は6年となります。3年ごとに半数ずつ入れ替えます。
定数は「248人」で、148人が小選挙区、100人が比例代表です。
合計すると、衆議院議員が「465人」、参議院議員が「248人」の合計「713人」となります。
そのうち、「276人(約38%)」が比例代表です。思ったより比例の比率が高いことにビックリしました。
🔵投票率の推移
国民の政治に関する関心が薄れていっている(特に衆議院が小選挙区制になってからの投票率の下落)のが顕著に表れています。
出典:総務省「よくわかる投票率」
🔵各党の比率
【衆議院】
①自民258:55.4%(女性22・比例72)
②立憲99:21.2%(女性15・比例39)
③維新45:9.6%(女性5・比例25)
④公明32:6.8%(女性4・比例23)
⑤共産10:4.6%(女性2・比例9)
⑥国民7:1.5%(女性1・比例5)
⑦有志4:0.8%(女性0・比例0)⑧れいわ3:0.6%(女性2・比例3)⑨無所属7:1.5%(女性0・比例0)
合計465(女性51:割合10.9%)与党割合:62.2%
【参議院】
①自民118:47.5%(女性22・比例36)
②立憲40:16.1%(女性18・比例16)
③公明27:10.8%(女性4・比例13)
④維新21:8.4%(女性4・比例13)
⑤国民12:4.8%(女性3・比例6)
⑥共産11:4.4%(女性5・比例7)
⑦れいわ5:2.0%(女性1・比例4)⑧碧水会2:0.8%(女性2・比例0)⑨NHK2:0.8%(女性0・比例2)⑩沖縄の風2:0.8%(女性0・比例0)⑪無所属8:3.2%(女性5・比例3)
合計248(女性64:割合25.8%)与党割合:58.3%
🔴世界の国会議員の数
🔵アメリカ 上院:定数100 下院:定数435
●報酬:年収174,000ドル (約2,730万円)
🔵カナダ 上院:定数105 下院:定数338
●報酬:年収144,000ドル (約2,260万円)
🔵イギリス 上院(貴族院):定数なし(2024年5月現在は786) 下院(庶民院):定数650
●報酬:年収116,000ドル (約1,820万円)
🔵フランス 上院:定数348 国民議会:定数577
●報酬:年収73,850ドル (約1,160万円)
🔵ドイツ 連邦議会:定数598 連邦参議院:定数69
●報酬:年収139,000ドル (約2,180万円)
🔵ロシア 連邦院:定数 各連邦から2名ずつ 国家院:定数450
●報酬:年収52,400ドル (約820万円)
🔵スウェーデン 一院制:定数349
●報酬:年収84,000ドル (約1,320万円)
🔵韓国 一院制:定数300
●報酬:1億5690万ウォン(約1,790万円)
🔵インド 上院:定数250 下院:定数552
●報酬:年収14,500ドル(約22万円)
🔵シンガポール 一院制:定数93
●報酬:年収880,000ドル (約1億3,200万円) ※議員報酬世界1位
🔵タイ 上院:定数250 下院500
●報酬:不明
🔵フィリピン 上院:定数24(連続三選禁止) 下院:定数311(連続四選禁止)
●報酬:不明
🔵バングラデシュ 一院制:定数350
●報酬:不明
🔵ブラジル 上院:定数81 下院:定数513
●報酬:不明
🔵アルゼンチン 上院:定数72 下院:定数257
●報酬:400万ペソ(約840万円)
🔵イラン 一院制:定数290
●報酬:不明
🔵イスラエル 一院制:定数120
●報酬:不明
🔵南アフリカ 全国州評議会(上院):定数90 国民議会(下院):定数400
●報酬:年収59,300ドル(約930万円)
🔵ナイジェリア 上院:定数109 国民議会:定数360
●報酬:年収480,000ドル (約7,530万円)
🔵オーストラリア 上院:定数76 下院:定数151
●報酬:年収144,000ドル (約2,260万円)
出典:外務省「国・地域」 ※1ドル:157円で計算
こうして世界各国の議員数を見てみると、欧州の一部の国の議員数が日本に比べて多いです。ただ国会議員は報酬を得ていますが、地方議員は原則無給の国も数多くあります。日本は報酬単体としてはそれほど多くありませんが、各種手当や調査研究広報滞在費(以前の文書通信交通滞在費)、立法事務費等を含めると世界トップクラスの報酬となります。また衆議院の女性議員の比率がかなり低いことが解ります。欧州では女性の首相も多く誕生していますし、官民・性別問わず優秀な人材を登用して頂きたいものです。
失われた30年というフレーズも最近はあまり聞きませんが、昨日アップした記事「NVIDIA 「時価総額」世界首位に 日本とアメリカのトップ企業10」での日本の凋落を見ていると、政治の果たす役割が今後一層重要なものになってきます。私たち有権者の意識も変えていかなければならないですし、日本の未来のために他責ではなく責任を持った行動をしていかなければと強く感じます。