想いをカタチに│東大阪市のDreamin’社労士事務所 │東大阪市・大阪市・八尾市・大東市

想いをカタチに!働きやすい職場づくりをサポート

電話
メール
LINE

「労働者性」の見直しは企業経営をどう変えるのか~「安心経営」の本質~

令和8年、厚生労働省の「労働基準法における労働者に関する研究会」が、昭和60年以来約40年ぶりとなる労働者性判断基準の見直しを進めています。※現在は第6回です。

一方で、保険代理店業界では、固定給のみを社会保険の算定基礎とし、歩合給を届け出ず社会保険料を低く抑えていた事案が報道され、大きな社会問題となりました。

一見すると別々の出来事に見えますが、私は両者には共通点があると考えています。それは「法律の形式だけを整え、実態を軽視した経営」だという点です。今回は、企業経営と安心経営について見ていきたいと思います。


労働基準法だけではない「労働者性」

ここで多くの経営者が誤解していることがあります。「労働者性」は労働基準法だけの問題ではありません。

例えば、

・労働基準法では、最低賃金・労働時間・残業代・休日・年次有給休暇などの適用対象になります。

・労働契約法では、「使用者と労働者は信義誠実の原則に従うこと」が定められています。また、解雇権濫用法理・安全配慮義務・就業規則との関係なども労働者であることが前提です。もし業務委託契約としていても、実態は社員だったとなれば、これらの保護も及ぶ可能性があります。

・パートタイム・有期雇用労働法では、近年特に重要なのが、同一労働同一賃金です。正社員と有期契約社員との間に不合理な待遇差があると企業は説明責任を負います。つまり「社員ではありません」という契約だけでは済まない時代になっています。

・労災保険では、労働者なら業務災害・通勤災害が適用されます。業務委託と思っていた人が労働者と判断されれば、過去に遡って大きな責任を負う可能性があります。

今回大きなニュースになった社会保険でも同じことが言えます。健康保険・厚生年金保険・雇用保険でも実態が重要です。今回問題となった保険代理店の事案もまさにここでした。


今回の保険代理店問題が示したもの

報道によれば、固定給だけを届け出、歩合給を社会保険算定から除外していました。もし事実であれば、社会保険制度の公平性を損なうだけではありません。経営者として最も大きな問題は、「制度を利用する」のではなく「制度をすり抜ける」という発想にあります。コンプライアンスは、見つからなければ良いというものではありません。企業の信用そのものが疑われます。

保険代理店は、お客様に「公的な制度で足りない部分を補い、万一に備え安心してもらう」ことを提案する仕事です。その代理店自身が制度を適正に運用していなければ、お客様からの信頼は一瞬で失われます。


労働者性見直しとの共通点

今回の研究会では、契約書ではなく実態を見ることが一貫して議論されています。海外でもGPS管理・アルゴリズム管理・評価制度・アプリによる業務指示まで指揮命令として考えられ始めています。つまり「形式ではなく実態」これが世界の流れです。

社会保険も同じです。給与明細の書き方ではなく、実際に支払われた報酬が重要になります。まさに「契約書ではなく実態」が重要という共通した考え方なのです。

出典:厚生労働省「労働基準法における「労働者」に関する研究会


社労士がこれから果たす役割

私は今回の研究会資料を読み、社労士の仕事がさらに変わると感じました。これまでの社労士は手続き・届出・助成金などが中心でした。AIに社会保険労務士のイメージを聞いたところ、良い意味で「労務管理の専門家」、悪い意味で「事務手続き屋」と回答がありました。もちらんこれらの手続き業務は非常に大切で、社労士の独占業務でもあります。しかしこれからは。人をどう採用するか・どんな労働条件が適切か・どんな制度設計をすれば公正な評価に繋がるかなど、人に関すること全般を支援する経営アドバイザー的な役割も求められます。


安心経営デザイナーとして考えること

私は最近、自分の仕事を「安心経営デザイナー」と表現しています。その理由は、社労士でもFPでも、資格そのものがお客様の安心を生み出すわけではないからです。安心を生み出すのは、法令を守り、人を大切にし、将来のリスクを未然に防ぐ経営です。今回の研究会も、保険代理店問題も、企業に問いかけているのは同じことです。

「形式だけ整えていませんか。本当に安心できる経営をしていますか。」

私はこれからも、社会保険労務士と保険代理店、二つの立場から、企業の皆様が法令を守るだけでなく、会社・社員・経営者・その家族までが安心して夢に挑戦できる経営を実現するためのお手伝いをしていきたいと考えています。


今回は同じ業界での不正という事で、非常に悲しかったですが、今後は再発防止に向けた取り組みも重要になってきます。弊所では「社労士診断認証制度」を活用した労務診断を行っており、労働契約から就業規則、労働保険や社会保険の適性性などを社労士の視点でチェックいたします。ご興味がありましたらご連絡いただけると幸いです。

弊所からのお知らせ

  1. 登録されている記事はございません。
PAGE TOP